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よるのおわり

日々を愛でる

ハト

滞在先のホテルの部屋は3階にあって,街の死角のような,建物に挟まれた狭い空間が窓から見える.もう1階分低い建物の屋根がこの空間の床になっていて,舞台のように見える.

東に向いたほうには建物がなく,朝日がさし込む.しばらくずっと冷たい雨が降っていたのが,昨日からやんで,今朝はあたたかい陽がさしており,その上を2羽のハトがちょこちょこと追いかけっこしていた.(恋の季節である)

窓をほんのすこし開けて外の空気を入れつつ,ベッドにだらりと腰かけて,ラップトップでお仕事をしながら,そんな光景を見る.私はこの部屋が好きだ.

引っ越し

夜と朝かかってやっと荷物をまとめて、テーブルを解体してカーテンを外した部屋の床に座った。ふと、何にも邪魔されない窓の外を見ると、ベランダの手すりには、昨夜降った雨の残りが水滴になって垂れ下がり、その向こうに青い空と白い雲が見えた。遠景には、いつもの教会の輝く十字架や、建物の隙間に東寺の塔も見えるはず。

 

その水滴を見て、ああなんてきれいなんだろう…と思った。

 

結局、荷物の運び出しは12時ぎりぎりまで遅れて、しかしダンボールの集荷はなんとか間に合った。それまで、ふたたび寒さの戻った3月の部屋に座っていた。

 

その後、移動して、夜には銭湯に行き、その帰りに、百万遍のあたりを歩きながら、そうか、もう京都を去るんだな…と、なんだかしみじみとしてしまった。

春の闇

なんだかすてきな夢を見て、ぬくぬくとして気持ちの良い眠りから目覚めた。夜中に一度起きて、その気持ち良さに存分に浸りながら、手洗いに立ったような気もする。

 

起きてから、夢の内容を思い出そうとしたのだけれど、どうしても出てこない。夜中に一度起きたときには覚えていたのに…。でも、夢の内容を思い出そうとするだけで、その残り香にひたって気持ちが良くなるような、そんなすてきな眠りだった。

 

ひとつだけ、夢の影響で、おいしいミルクの入ったカプチーノを飲みたくなっており、それだけが、たしかに実感できる、この眠りの存在証明だった。

春の宵

夕闇が染み渡ったあとの御所と鴨川をぶらぶらしながら帰ってきた。

御所の松は大きくて、複雑な影を空に投げかけていた。雲が一面に覆いをして、でもなんだか明るくてあたたかい空だった。人は通らず、車の音もここまでは聞こえず、右手で押す自転車の車輪が砂利を踏む音だけが響いた。

荒神口から鴨川におりて、そのまましばらく、河原をゆったり流した。西岸には人々の気配を乗せた白熱灯のやわらかい光が続き、どこかの建物では、結婚式のようなドレスやスーツを着た若い男女たちが、テラスではしゃいでいた。

光は水面に映り、堰のところでどーっと水音が聞こえ、コウモリが飛び、ときどき鷺がばしゃっと着水したり、飛び立ったりしていった。等間隔の恋人たちも分布していた。

御所と鴨川、これから住む街にも欲しいものである。

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前準備

今日は、日中の日差しがだいぶ暖かくなっていて、空気がもう少しゆるんできたら、もう春と言っても差し支えないような頃合いになってきた。久々で職場に来たから、お昼も準備していなかったし、食料のストックも何もなかったので、まあ、これはちょうど良い機会ということで、ぽかぽかした正午に構内を抜けて、ずっと前から行きたかった南インド料理のお店に行ってきた。

おいしいお腹を抱えながら、午後には、いろいろと懸念だったことをのしのし進めていく。書類書きやらデータ解析やら、これまではちょっと気が進まなかったことが、堰を切るように進捗する。

暗くなるちょっと前くらいの夕方に、職場を飛び出して、遠回りルートで久々に山を登って、家に帰ってきたのだった。

充実した、春の前準備。