よるのおわり

日々を愛でる

墓場の烏

真夜中に帰宅途中のお墓のところ、せりだした崖の上に、ぽつぽつと何本も高い木が立っている。崖の端の2本から、烏の騒ぐ低い声が聞こえる。灰色の空にすかして見ると、真夜中ではあるけれど、何羽かは枝のあいだをぱさぱさ飛んでいる。夜のお墓に烏が鳴くと…

蓋探し

スーパーで特売だったチルドの餃子を買ったので,フライパンの蓋が必要になった.しかし,最近のフライパンの蓋は,実はあまり好きではない.ガラス窓とか置ける取手とか,そういうちゃらちゃらしたものは何にもいらないから,アルミでできたペラペラの軽く…

ホビットの冒険

寝る前に『ホビットの冒険』を読んでいたからか,おかしな夢を見る.市民マラソンのランナーたちをもてなすために,お昼を出さなければならない.量が足りないので,コンビニに買い出しに行く.近くのコンビニはそれでもけっこう離れていて,自転車に乗って…

動物たち

ガラス張りの診療所のようなところに座っていると,外から,ウマのような,シカのような,あるいは火の鳥のようなよくわからない動物が,ガラスのドアを開けたそうにしている.大学生の頃に流行った (今でも流行っているのだろうか) 太いストライプで複数の…

春だから

最近ドライアイで目が乾く.花粉症の影響もあるのかもしれない.しばしばする目をぎゅっとつむって,また開けると,二重になったような気がするだけで,乾きはぜんぜん癒やされない.やれやれ.駅からの帰りに脇にそれると,猫がいる道を通る.黒猫はいつも…

サメの見張り台

海にぽつんと突き刺さった高い見張り台のようなところに、仲間と数人で冬ごもりのようなことをしていた。外は薄暗くて寒く、濁ってぼんやりした窓を細い雨が濡らす。幾日も眠り、暖かくやわらかな布団のなかでまどろむ。 海の中には大きな動物がいる。深海か…

歯医者のあとの太陽

歯医者に行って,虫歯を削ってもらった.大学生だったときの不摂生がたたってか,虫歯が次から次へと現れる.20代の前半から,2ヶ月に一度はかならず歯医者にかかっているような,そんな感覚.そんなわけで,あのどうにもこらえがたい音や振動を,やりすごす…

すてきな日曜日

日曜日.朝早く,布団のなかで半ば覚醒しつつ,うとうとしていた.朝6時の町内放送で目が覚めてしまって,ごそごそと起き出す.窓を開けて放送を直に聞く.外はまだ真っ暗である.これが聞けるのもあと何回だろう… (朝の町内放送のことを思いだすたびに,な…

暑さと寒さ

Tシャツ一枚になって熱帯の調査地でサンプルを処理しながら,州都の真昼間の蒸し暑い通りを歩きながら,たびたび,数週間前は極寒の北欧にいたのだな……と不思議な気分で思い出していた.彼の国では,冬用の分厚いコートを着て,それでもまだ寒かったりしたの…

高いマンション

無事に帰国した夜は、都心のホテルに倒れこむように眠る。物価の感覚がおかしくなっていて、ハーゲンダッツのクリスピーなやつを買ってしまって、寝る前に食べたりしてしまう。 翌朝、ひとあし先に帰るRを送ったあと、朝ごはんを食べて、チェックアウトぎり…

食べない

健康診断のため夜21時以降は絶食,翌朝も食べてはいけないということだったので,うっかり忘れないように冷蔵庫に貼っておいた.

凍った川

凍った川の表面の,氷と水が入れ替わる境目のところが橋の下に隠れている.行きの電車ではその部分がちょうど覆い隠されて見えない.帰りは,夜になっていたり疲れていたりで,氷のことを思いだす余裕がない.どうなっているのか気になっていた.それで,昼…

ピンクのユニコーン

街中に落ちていた子供の手袋に描かれていたピンクのユニコーンが、じつは、麻薬の密売なんかに手を染める悪の組織のトレードマークだった。という夢。

見えない雪

最近ことに冷え込んでいて,日中の最高気温も氷点下という日がある.朝起きると,凍った川の上が真っ白になっていることがあって,霜でもおりるのだろうかと不思議に思っていた.ひときわ冷え込んだ日曜,朝のリビングでひとり仕事をしていると,見えないく…

行ったり来たり

だいぶ前になってしまったけれど.お昼前に職場から帰ってきて,ゆったりしているとあっという間に家をでなければならない時間.スーツケースをごろごろと引っ張りながら,空港へ.KLMを使って,まるまる1日くらい.あちらの空港には夕方に着き,ほかの人び…

外が冷たい

寝苦しいような気がして,真夜中に突然目が覚める.部屋の酸素濃度が低くなっているような気がする.夕飯はたくさん食べたはずなのに,なんだかお腹が減っている.トイレに行ったりしていると,なんだか眠れなくなってしまう.ごそごそと起き出してきて,ろ…

美術館

すこし離れたところにある学食でお昼を食べたあと,荘厳な建物が立派な美術館に寄ってみた.中には入らずに,ミュージアムショップをひやかす.本をぱらぱらとめくったりしていると,けたたましいアラームが鳴り響く.職員さんが,火災報知器が鳴っているよ…

橋の白猫

荒野へ渡る橋のところに,ふさふさした毛足の長い,真っ白な猫がいた.橋の左側,芝生になっているところに,目つき悪くこちらを見上げながら.その横で昇り降り運動をしているおばさんの飼い猫かもしれない.猫を外に連れ出すなんて,なんだかおかしいな…と…

裏道

巨大なスーパーの裏口から外に出ると,すてきな道を使って家まで帰ることができる.落ち着いた静かな道で,橋を越えて,スタジアムの前を通り過ぎ,凍結した川の流れる住宅街を抜けてくる.だいぶ陽が長くなったとはいえ,この時間になると,もうだいぶ暗い…

植物園

ところどころに雪みたいなものが積もっていて、昨夜はもしかしたら局所的に雪が降ったのかもしれなかった。(そして風に吹き寄せられて、ところどころに集まったのかもしれなかった) 自分の足跡が残るのが楽しくて、まっさらなところを探して歩いた。 凍っ…

朝のイデア

ビルの建築はだいぶ進行しており、4階の窓より高くなっている。1ヶ月前にはその向こうにかろうじて荒野が見えていたけれど、今はビルが邪魔してもはや見えなくなっている。ビルのいちばん上の階で作業をしている人が、弱い朝日を受けている。あの場所からは…

すれちがい

帰り道,ぼんやりしながら歩いていると,むこうからやってきた中年くらいの女性と進路がかぶる.どっちに避ける…? とおたがいがあたふたして,手が中途半端なかっこうに振り上げられたりする.衝突は免れることができて,すれちがいざまに「sorry」だか「ta…

ビニール袋

水の中にビニール袋がふわふわ浮いているのが、けっこう好きなのだった。 最近は川が凍って、氷の下にふわふわビニール袋が固まっている。こらもまたすばらしい。

時間の感覚

数日間は,体内時計を維持するために,普段とは真逆のリズムで生活を送っていた.日付が変わったあとしばらくしてから布団に潜り込み,昼前まで眠っている.ある晩には雪が降ったりしていて,朝起きると外は一面真っ白で,昼前の明るい光に照らされて,なん…

鳥のこと

朝,開園前の植物園を通ると,芝生にカモが2羽座っていた.芝生をぶちぶち引き抜いて,食べている.近よると,ちょっと落ち着かなさそうに立ち上がって,微妙に距離をとろうとする.けっこう冷え込んでいて寒い朝だったので,なんだか悪いことをしたように思…

深夜のスプーン

飛行機のなかではなまじよく眠れてしまったために,真夜中に東京に着いてからもぜんぜん眠くない.山手線に乗って,予約しておいたゲストハウスに行き,シャワーを浴びて,日付が変わる頃に布団に潜り込む.しかし眠れない.飛行機のなかでよく眠れてしまっ…

透明なカエル

河口に近い沼地のようなところでフィールドワークをしていた.海水に住む透明なカエルを2匹,誤って河に放してしまい,これはいけない…!と思って手に持っていたノギス状の道具であわてて叩き殺す (生物多様性の撹乱を恐れている).1匹はおそらく仕留めたけ…

タリン・ヘルシンキ2日目

昨夜の残りのブラッドソーセージ,スーパーでいっしょに買ったドライフルーツとナッツがぎっしり詰まったパン,持ってきたコーヒーを朝食にして,ゆったりした後,9時頃にまた旧市街へ繰り出す.2日目ともなるとこの中世のきれいな街並みにも慣れてきて,な…

ここ数日あたたかい気候がつづいていて,朝,家を出るときに変な感じがする.寒さを覚悟してドアを開けたのに,ゆるんだ空気が満ちていて,拍子抜けするような感じ.日中はコートを着なくても,建物と建物のあいだを移動できるくらいになり,そのまま温室に…

海に出る

荒野を走る.小高い丘のかげが池になっていて,渡り鳥がぎゃあぎゃあと喧嘩していた.水が飛び跳ねてけっこう迫力がある.その先の湿地では,すねくらいの高さの草のなかに首の長い鳥の一群がおり,20羽くらいが首だけ出して同じ方向を眺めていた.そして今…