よるのおわり

日々を愛でる

diary

どうでもよいけれど、どうでもよくはないこと

たまに、ほんとうにどうでもいいことを書きたくなってくる。こちらに背を向けて、猫がひなたぼっこしていたところを通りすぎると、その猫はビクッとこちらを振り向いて、そわそわ落ち着かなさそうにしていた。けれど立ち去ってしまうにはその場所が惜しいら…

リスの藪

朝、窓を開けると、電線の上をリスがつたっており、向かいの藪に消えていった。そういえばこの藪からは、布団を取り込もうとした夕方に、猫が出てきたのも見た。猫はこちらに気づかず気楽に歩いていて、私が布団挟みを外すと、その音で私に気づいて、こちら…

名前

半分風邪をひきながら見た夢のなかで、どうしても、Rの名前が思いだせない。名前だけでなく、顔かたちやたたずまいも、すっぽり記憶から抜け落ちている。なんとか思い出そうとしても、現れてくるのは昔の恋人のことばかり。すこしずつ、記憶の糸をたぐるよう…

海と犬

日曜の午後はきれいに晴れ渡って、海辺の道も気持ちが良い。端まで行くと、石ころだらけの浜辺におりられる。3歳くらいの子供をつれた男女がおり、男は小石を拾ってはひょいひょいと海に投げ、水切りをしていた。とてもうまい (5回以上跳ねている)。乾いた小…

春のはじまり

GWの前の金曜日,自転車に乗って帰ってくると,もう汗いっぱいになってしまって,部屋の中は西陽にあたためられてもわもわとしていた.夜は,はじめて厚手の毛布をやめて,薄手のブランケット毛布に切り替えた.翌朝,空は痛いくらいに晴れあがり,雲ひとつ…

ねこじゃらし

夜の道端に、何かがシャッシャッと通り過ぎたあとのような光の軌跡が見えて、近寄ってみると、青々としたねこじゃらしがたくさん生えていたのだった。シュッと丸まってつやつやとした穂のところに、街灯の光なんかが反射して、きらきら光っている。 ねこじゃ…

いつもの春

4月の終わり頃の週末に、毎年、中部地方の研究所で会議がある。昼ごろ、半袖になっても汗がにじみ出る陽気のなか、桜の終わった川辺を歩き、坂を登る。 研究所の宿舎は、だいぶ年季が入っていて、内装もきわめてシンプルだけれど、窓の外に広がる春の景色が…

墓場の烏

真夜中に帰宅途中のお墓のところ、せりだした崖の上に、ぽつぽつと何本も高い木が立っている。崖の端の2本から、烏の騒ぐ低い声が聞こえる。灰色の空にすかして見ると、真夜中ではあるけれど、何羽かは枝のあいだをぱさぱさ飛んでいる。夜のお墓に烏が鳴くと…

蓋探し

スーパーで特売だったチルドの餃子を買ったので,フライパンの蓋が必要になった.しかし,最近のフライパンの蓋は,実はあまり好きではない.ガラス窓とか置ける取手とか,そういうちゃらちゃらしたものは何にもいらないから,アルミでできたペラペラの軽く…

春だから

最近ドライアイで目が乾く.花粉症の影響もあるのかもしれない.しばしばする目をぎゅっとつむって,また開けると,二重になったような気がするだけで,乾きはぜんぜん癒やされない.やれやれ.駅からの帰りに脇にそれると,猫がいる道を通る.黒猫はいつも…

歯医者のあとの太陽

歯医者に行って,虫歯を削ってもらった.大学生だったときの不摂生がたたってか,虫歯が次から次へと現れる.20代の前半から,2ヶ月に一度はかならず歯医者にかかっているような,そんな感覚.そんなわけで,あのどうにもこらえがたい音や振動を,やりすごす…

すてきな日曜日

日曜日.朝早く,布団のなかで半ば覚醒しつつ,うとうとしていた.朝6時の町内放送で目が覚めてしまって,ごそごそと起き出す.窓を開けて放送を直に聞く.外はまだ真っ暗である.これが聞けるのもあと何回だろう… (朝の町内放送のことを思いだすたびに,な…

暑さと寒さ

Tシャツ一枚になって熱帯の調査地でサンプルを処理しながら,州都の真昼間の蒸し暑い通りを歩きながら,たびたび,数週間前は極寒の北欧にいたのだな……と不思議な気分で思い出していた.彼の国では,冬用の分厚いコートを着て,それでもまだ寒かったりしたの…

高いマンション

無事に帰国した夜は、都心のホテルに倒れこむように眠る。物価の感覚がおかしくなっていて、ハーゲンダッツのクリスピーなやつを買ってしまって、寝る前に食べたりしてしまう。 翌朝、ひとあし先に帰るRを送ったあと、朝ごはんを食べて、チェックアウトぎり…

食べない

健康診断のため夜21時以降は絶食,翌朝も食べてはいけないということだったので,うっかり忘れないように冷蔵庫に貼っておいた.

凍った川

凍った川の表面の,氷と水が入れ替わる境目のところが橋の下に隠れている.行きの電車ではその部分がちょうど覆い隠されて見えない.帰りは,夜になっていたり疲れていたりで,氷のことを思いだす余裕がない.どうなっているのか気になっていた.それで,昼…

見えない雪

最近ことに冷え込んでいて,日中の最高気温も氷点下という日がある.朝起きると,凍った川の上が真っ白になっていることがあって,霜でもおりるのだろうかと不思議に思っていた.ひときわ冷え込んだ日曜,朝のリビングでひとり仕事をしていると,見えないく…

行ったり来たり

だいぶ前になってしまったけれど.お昼前に職場から帰ってきて,ゆったりしているとあっという間に家をでなければならない時間.スーツケースをごろごろと引っ張りながら,空港へ.KLMを使って,まるまる1日くらい.あちらの空港には夕方に着き,ほかの人び…

外が冷たい

寝苦しいような気がして,真夜中に突然目が覚める.部屋の酸素濃度が低くなっているような気がする.夕飯はたくさん食べたはずなのに,なんだかお腹が減っている.トイレに行ったりしていると,なんだか眠れなくなってしまう.ごそごそと起き出してきて,ろ…

美術館

すこし離れたところにある学食でお昼を食べたあと,荘厳な建物が立派な美術館に寄ってみた.中には入らずに,ミュージアムショップをひやかす.本をぱらぱらとめくったりしていると,けたたましいアラームが鳴り響く.職員さんが,火災報知器が鳴っているよ…

橋の白猫

荒野へ渡る橋のところに,ふさふさした毛足の長い,真っ白な猫がいた.橋の左側,芝生になっているところに,目つき悪くこちらを見上げながら.その横で昇り降り運動をしているおばさんの飼い猫かもしれない.猫を外に連れ出すなんて,なんだかおかしいな…と…

裏道

巨大なスーパーの裏口から外に出ると,すてきな道を使って家まで帰ることができる.落ち着いた静かな道で,橋を越えて,スタジアムの前を通り過ぎ,凍結した川の流れる住宅街を抜けてくる.だいぶ陽が長くなったとはいえ,この時間になると,もうだいぶ暗い…

植物園

ところどころに雪みたいなものが積もっていて、昨夜はもしかしたら局所的に雪が降ったのかもしれなかった。(そして風に吹き寄せられて、ところどころに集まったのかもしれなかった) 自分の足跡が残るのが楽しくて、まっさらなところを探して歩いた。 凍っ…

朝のイデア

ビルの建築はだいぶ進行しており、4階の窓より高くなっている。1ヶ月前にはその向こうにかろうじて荒野が見えていたけれど、今はビルが邪魔してもはや見えなくなっている。ビルのいちばん上の階で作業をしている人が、弱い朝日を受けている。あの場所からは…

すれちがい

帰り道,ぼんやりしながら歩いていると,むこうからやってきた中年くらいの女性と進路がかぶる.どっちに避ける…? とおたがいがあたふたして,手が中途半端なかっこうに振り上げられたりする.衝突は免れることができて,すれちがいざまに「sorry」だか「ta…

ビニール袋

水の中にビニール袋がふわふわ浮いているのが、けっこう好きなのだった。 最近は川が凍って、氷の下にふわふわビニール袋が固まっている。こらもまたすばらしい。

時間の感覚

数日間は,体内時計を維持するために,普段とは真逆のリズムで生活を送っていた.日付が変わったあとしばらくしてから布団に潜り込み,昼前まで眠っている.ある晩には雪が降ったりしていて,朝起きると外は一面真っ白で,昼前の明るい光に照らされて,なん…

鳥のこと

朝,開園前の植物園を通ると,芝生にカモが2羽座っていた.芝生をぶちぶち引き抜いて,食べている.近よると,ちょっと落ち着かなさそうに立ち上がって,微妙に距離をとろうとする.けっこう冷え込んでいて寒い朝だったので,なんだか悪いことをしたように思…

深夜のスプーン

飛行機のなかではなまじよく眠れてしまったために,真夜中に東京に着いてからもぜんぜん眠くない.山手線に乗って,予約しておいたゲストハウスに行き,シャワーを浴びて,日付が変わる頃に布団に潜り込む.しかし眠れない.飛行機のなかでよく眠れてしまっ…

ここ数日あたたかい気候がつづいていて,朝,家を出るときに変な感じがする.寒さを覚悟してドアを開けたのに,ゆるんだ空気が満ちていて,拍子抜けするような感じ.日中はコートを着なくても,建物と建物のあいだを移動できるくらいになり,そのまま温室に…