小学生の頃,ドッジボールが流行っていた.
強い球を受け止め,また強く投げ返すのが当時の花形であった.
しかし私は逃げるのが専門だった.
最後のひとりになっても決して当たらない.
たまにしくじることもあったけれど.
コートと人の空間配置を認識して,そもそも相手から狙われないようにする.
狙われても,相手をよく見て,直感的な動きで球をよける.
球にはできるだけ触らないけれど,ワンバウンドした球は積極的に回収にいく.
楽しかったけれど,当時の小学生基準ではあまりカッコよくなかったと思う.
後年,英語を習い,"dodge"が「逃げる」という意味であることを知った.
もしかしたら王道を行っていたのは自分だったのかもしれない,とふと思った.