よるのおわり

日々を愛でる

キレンジャク

剥製になった鳥は飛んでいないのだった.

くわえた木の実を支点に,枝に固定されているだけ.

 

剥製になった鳥の後肢は,木の枝をつかんでいなかった.

細い後肢は,木の枝にくっつけられているだけ.

剥製の後肢は,支持器官として,かえって脆弱だった.

 

鳥の名はキレンジャクといった.

見た目は同じでも,その機能では,生と死のあいだに高い壁があった.