よるのおわり

日々を愛でる

文章の贅沢

泉鏡花の『婦系図』と『湯島の境内』を読んで,思った.

彼は,後者を描きたかったがために,前者を書いたのではないか.

お蔦の,可愛さというかいじらしさというか,それを表したいがために.

 

たったひとことを表すために,数百ページに及ぶ文章を重ねたのだとしたら.

そういうのも,贅沢で,悪くはない.