よるのおわり

日々を愛でる

祖母の黒電話

祖母の家ではいまだに黒電話を使っている.

当然,私がそのダイヤルを回すことは,ほとんどない.
その一方,私がその黒電話に電話をかけることは,ときどきある.

この黒電話,受話器をとると,最後に「チン」と締めの音がする.
電話がつながった瞬間,こちらでも「チン」の名残がはっきり聞こえる.

この音を聞くと,祖母に電話がつながったことが理解される.
呼び出し音のあとに「チン」が聞こえると,そこで妙に安心する.