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よるのおわり

日々を愛でる

歯が欠けた話

歯が欠けて,古風な歯医者に行って,大笑いしたくなる話.

歯を磨いていたら,左上の第二大臼歯が欠けた.5 mm角ほどの破片の内側に,象牙質みたいなものが見えている.あわてて大学周辺の歯科に電話をかけて,2軒目で空きを当てた.

その歯科医院は,見た目にも古く,そうとう年配の歯科医が,受付も治療もひとりでやっているようだった.スリッパを履き替えることもなく,命令されるようにして,診療椅子に横たわる.ラテックスの手袋なんか使わないで,洗った手をそのままに.空気をかけられたとき,しみるような気がして,顔をそむけたら,怒られてしまった.そういう方針なのだろうか,もしかしたら,近年のピカピカした歯医者は,患者を甘やかし過ぎなのかもしれない.

結局,以前の詰め物がとれただけだったことがわかり,ほっとひと安心をした.初診料の650円をお釣りなく払い終えて,出掛けに開業期間を聞いてみた.「40年.もう患者なんて診たくないよ.」そうか,ふふふ.

外にでると,3月にしては強すぎる陽が,裏路地を照らしていた.大学の近くにこんな路地があったんだと思うと同時に,なんだか大笑いしたいような気持ちがこみ上げてきた.強い風のふく,変な昼時だった.