よるのおわり

日々を愛でる

閉じ込められている

小さい頃からずっと「閉じ込められている」と思ってきたのを,ふと思い出した.表面上は同調しているようで裏ではみんな出し抜きを狙っていた学校社会とか,「やさしさ」で厚く包まれて逃げ場のなかった家だとか,どうにもならない自分自身とか,そういったものから.閉じ込められた場所から逃げようとして,しかしなんとか足を踏み出した外もまた何かの内で,悔しさだけが残った.

でも会社を辞めてこちらに戻ってきた今は,そんなことをあまり思わなくなっている.慣れなのかもしれないし,そうでもないのかもしれない



以下の文章を思い出す.
子供なんて,人生の中での一番つまらないことをさせられてるんだからな.私だって十七までに面白いことなんて何ひとつなかった.面白いのは大人になってからだ.ほんとに怒るのも,ほんとに笑うのも,大人にしかできないことだ.なぜなら,大人にならないと,ものごとは見えないからだ.
(中島らも 『今夜、すべてのバーで』)