よるのおわり

日々を愛でる

大原

どっしりした空間に身をおいて,いろんなものを見るともなく眺めているのが大好きで,おちついた庭園や堂内には,2時間でも3時間でもぼんやりとしていられる.そんな私にとって,大原はとてもとてもすてきなところだった.

居心地の良い月光荘からごそごそと起きだしてきて,大原に着いたのは,小雪の舞う平日の午前中.そんなときだから,訪れている人は少なく,誰かとたまにすれ違う程度.

三千院の杉の木立に苔の緑と雪の白がグラデーションになっているさま,激しくなった雪が音を吸い込んでさらに静まりかえる勝林院,鐘を鳴らして抹茶をいただいた実光院や,水琴窟と大胆な構図で庭を見る宝泉院.ちょっと歩いた寂光院ではつららをみつけたりもした.

人の増えだした昼過ぎにはバスに乗って市内まで帰ってきて,なんだかこの世と地続きには思われないような雪の大原の光景をすでになつかしく思い浮かべながら,街の雑踏の中にまた身を投げだしたのだった.


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三千院の庭園


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苔と雪とお地蔵さんのあたま


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勝林院の冷たい床


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大胆な構図の宝泉院


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寂光院の長い階段



なお,ふたたび冬の大原に行くことができたなら,そのときはもっと厚い靴下を履いていこうと,そんなことも同時に思った次第.(足先が冷えて「ぼんやりする」どころではなかったのでした)