曼殊院の夜間拝観に行ってきた.
車通りの多い白川通りを東に抜けると,灯りも十分にないような道がつづいていく.ゆったりした坂道を10分くらい登っていくと,曼殊院に着く.闇のなかに紅葉がはっと浮かび上がったりして,怖いような綺麗なような,よくわからない気持ちになったりする.
内部は,壁の画や梁組や宝物に,時の流れが強く感じられた.土曜にもかかわらず人はそんなにいない.なんだか落ち着く空間であるとともに,床板を踏む音やほの暗い空気や幽霊画が,どことなく心をざわつかせる.
奥に大きな庭があって,縁側に座ってしばらく眺めていた.夜風が木々を揺らして,薄い光のなかに,庭石や松の木がぼんやりと浮かび上がる.
夢でも見ていたような気分だった.
(写真撮影は庭でのみOKでした)