よるのおわり

日々を愛でる

向き

真夜中、睡眠と覚醒のあいだのまどろんだ感覚のなかに自分を見出して、ふと、自分が反対向きに寝ているような錯覚に襲われる。ベッドのこちら側を頭にして、左側が壁に面していたのが、あちら側を頭にして、右側を壁に接しているような。

明かりをつければ真相はすぐにわかるし、左手をのばして何かに触れるか調べてみるのでも良い。でも、そんなことはどうでもいいような気もして、結局調べずに、いつの間にか、また眠りに落ちる。

朝になって目が覚めて、さて、たしかに、自分はもとのままの向きで寝ていたことを確認する。当然といえば当然なのだけれど、なんだか残念なような気もする。