よるのおわり

日々を愛でる

正しい11月の終わりの雨の日曜

1日中雨の予報が出ていて,自転車は端から諦めて始発で大学に向かった.秋の終わりの冷たい雨.朝はまだぬるいけれど,日中だんだん気温が下がっていく.

日曜の居室にひとり.午後には気温がさらに下がり,身体が暑さに慣れてしまっていたせいか,暖房の温度をいくら高くしても,窓ガラスから忍び込む冷気が足先をあっという間に冷やしていく.そして,論文を読んでいると襲ってくる眠気.
日曜だし,これはもう仕方ないと諦めて,ベッドに寝転んで布団をかぶり目を閉じる.なにか夢を見ていた.隣の部屋に人の気配がして目が覚める.2時間経っている.長く眠ってしまった昼寝に特有の,ぼんやりした頭を持て余しながら,ふたたび机に向かう.

外が暗くなりきった頃,帰ることにする.昼寝のせいか,気持ちに余力があって,このまま電車で帰るのもなんだかつまらないような気がする.そこで,行きたいところまで歩いてみることにする.
パン屋さんに入って食パンの6枚切りを買う.リカーショップで,ちょっと飲みたい気分になっていたジンを買う.スーパーに寄って夕飯の買い物をして,ついでにミカンも買い物かごに放り込む.
車や人で賑やかな通りを一本外れると,しーんとした裏通りが広がっていて,蔦がからまった年季の入ったアパートとか,古そうな大学付属の体育館とか,重心の低いどっしりした大きな家とか,そういうものが現れてきた.

2駅歩いて,お腹が空いてきたので電車に乗った.バックパックからは,さっき買った長ネギがとびだしている.正しく11月の終わりの雨の日曜らしい1日だった.