よるのおわり

日々を愛でる

郊外

キャンパス街の外れの,ほとんど郊外と言っても良いような場所.セントラルヒーティングで暖かい建物の,最上階の部屋で食事を摂るために,地下の共同キッチンとのあいだを行き来する.エレベータなんかはもちろんなくて,ふかふかした階段を登り降りする.

そこでは,高緯度地域の冬の短い陽もことさら暗く感じられ,夜中に降る霧雨は音を立てずに,木々や石の感触でそれと知れるばかり.