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よるのおわり

日々を愛でる

強行軍

diary

朝早く東京に移動したのが,まだ2月の頃だった.スーツケースを持って電車で移動するのは久しぶりのような気がする.新幹線はあっという間に着いてしまい,11時には,見晴らしの良い部屋から外を眺めつつ,作業を開始する態勢ができていた.朝は雨が降っていたけれど,途中から晴れて暖かくなった.

その後ホテルに缶詰めになって,個人の時間が寝るときくらいしかない1週間をすごしていた.最後の日の夜20時過ぎ,何だか興奮冷めやらぬまま,品川駅から電車に乗って帰ってきて,この日は夕食がほとんど食べられなかったから,駅前の成城石井で割引のサンドイッチを買って,途中の駅で食べたりしたのだった.

翌日にはまた,ちょっぴりポカポカしはじめた都内を駆けずり回って,ちょっと心細い時間があったりしつつも,夜には布団でしっかり眠ることができて,翌朝,成田に向かった.

そうして1週間ちょっと,熱帯の国でお仕事をしてきた.途中から喉が痛くなって,少なくともこの国で身体が保てば良い…!と思って,養生しながら駆け回り.帰国したら風邪を引くかな…という予感があったけれど,見事に予感は的中.

また寒さの戻っていたある寒い朝の7時,成田に降り立ち,昼前に家にたどりつき,昼間からお風呂を沸かして身体を温める.このときのお風呂の気持ちよかったこと.養生に努めるけれど,次の日見事に体調が本格的に崩れ,眠ったり起きたりを繰り返す.体調が崩れる前に,とある原稿の改訂がぎりぎりで終わる.

その翌日は,日中の予定をキャンセルしてもらい,夜の発表に向けて全力で体調を整える.夕方起き出して,また都内に移動して,学会で発表して,懇親会にも出られずに戻ってきて,すぐに眠る.この翌日の予定もキャンセルにしてもらう.夜の早稲田がなんだかとってもすてき.なんとか座るために,各駅停車に乗ってみると,時間はかかるものの,外は暗く,ドアから入ってくる外気が顔に気持ちよく,帰宅者たちの殺伐さもなく,久々に心ゆくまで小説を読めたのだった.

そうして,研究をする気力がでないままに翌日も養生し,その翌日,まだ少し調子が戻らないながらも昼から出かけて,おいしいお昼を食べて,さみしいけれどとっても楽しい時間を過ごして,また各駅停車でゆっくり小説を読みながら,帰ってきた.

そうして次の日,今度は殺伐とした電車に乗って本当に帰宅して,ああずいぶん長い強行軍が終わった…終わったときのことを始まる前に不安な気持ちで想像していたなあ…と思いだしたりしながら,どうしたって過ぎ去っていってしまう月日に思いを馳せ,十分に暖めたカップに淹れたカフェインレスのコーヒーをゆっくり飲んだのだった.