よるのおわり

日々を愛でる

町内放送

朝昼夕に町内放送が鳴るところに住んでいる.

私は朝の放送がお気に入りで,これを聞くとなんだか心が休まる.6時に鳴るからゆっくり寝ていられない…と妻は言うけれど,朝型の私には問題ではないのだった.ちょっと早めに起き出してお仕事をしている私は,この放送を聞いて,妻を起こしに行くとともに,朝ごはんを作りはじめる.

午前中のお仕事を終わらせて,ふーと息をつきながら昼食を作っていると,お昼の放送が聞こえてくる.キッチンの窓を開けていると,放送は鮮明に聞こえるのだった.町歌を,いつのまにか覚えてしまっていて,知らないあいだにフンフンと鼻歌をうたっていることがある.ああ,おそろしいおそろしい…

夕方の放送は,ちょっと微妙な時間にあって,聞き逃すことも多いけれど,この放送がある頃にはちょうど日が暮れてきていて,見回した辺りの光が強さを失っていることに気づく.お仕事の進まなかった日には,ああダメな1日だった…と思い,そうでない日には,そろそろ夕飯を作ろうかな,と思う.

長い出張から帰ってきて,この町内放送を聞くと,やっと帰ってきた…と感慨深くなる.またしばらく留守にするから,耳さみしい期間がつづいてしまうな.