よるのおわり

日々を愛でる

和菓子売り場

駅のコンコースとつながっているデパートの1階にはけっこう熱い空気が入り込んでいて,建物の中に入っても,首の裏あたりなんかに,まだ湿度を感じたのだった.土曜日の昼前で,どこを向いても人ばかりなのも関係しているかもしれない.あと1-2時間したらもっと混んでくるだろう.

そんな1階から,エスカレーターを探して,地下におりる.するとそこは食品売り場になっていて,特に和菓子のお店が向こうのほうまで軒を連ねている.筆でざざっと書いたような,どこかで見たことのある店名があちこちにひるがえり,爽やかで淡い色の和菓子をショーケースのなかに入れたり,看板にして出したりしている.空調はよく効いていて,外を歩いているうちにじっとり服にしみた汗が,すうっと乾いていくのを感じる.

抹茶の鮮やかな緑色や,すきとおった水色の寒天に,つぶあんの深い赤黒色.デパートの地下の和菓子売り場には,ひときわ夏があふれている.