よるのおわり

日々を愛でる

雨の夜のミシン

外から帰ってくるとき,暗い雲が空を覆いかけていて,ああこれはもしかしたら雨がふるのかもしれない,と思った.実際,19時すぎに大学の地下から出てこようとすると,外には雨が降っていて (ざあざあとしとしとの中間くらい),慌てて傘を取りに戻った.

早足で歩いて,目標の電車には乗れたのだった.

帰ってきて,朝からやろうと楽しみにしていたミシンを動かす.パンツがちょっと太くて,これをやや細くするのが今回のミッション.今朝すこしだけ着手した残りを,今夜ある程度まで進めてしまおう.

窓をあけて,湿った涼しい風が吹き込むなか,ささっとミシンをかけて,古い縫いしろの糸をちくちくほどいていった.オレンジ色の光の下で眠い目をこすりつつ,雨の音を聞きながら,パンツを望む形に作り替えていった.

結局この夜のうちに最後まで終えてしまって,裾を縫い終わって足を通したときは,もう日付が変わりそうな頃だった.雨はまだ続いていて,その音を聞きながら,すみやかに眠りに沈み込んでいった.