よるのおわり

日々を愛でる

犬の青リンゴ

旅先にしては珍しくぐっすり眠れたけれど、睡眠時間が足りなくて、まだ寝足りない。

 

早朝、向こうから来た散歩中の陽気な犬が、なにか緑色のものをくわえている。飼い主にじゃれついたときに、その緑色の丸いものが落っこちる。

遠目には、あの懐かしいメロンシャーベットの容器のように見えたけれど、だんだん近づいてすれ違うとき、青リンゴであることがわかった。犬は、大はしゃぎで、青リンゴをちょっと蹴飛ばした後、ふたたびくわえる。

犬が青リンゴをくわえると、「プゥー」というまぬけな音がして、それは本物ではなく、ソフビ製のおもちゃの青リンゴであることがわかった。

 

秋のような、涼しい朝。