よるのおわり

日々を愛でる

長い散歩

昨夜は遅かったので,遅くに目が覚める.それでも外は暗く,よしそれなら…とランニングにでかける.星型の要塞を一周して戻ってくる.すれ違ったのはせいぜい2-3人.


天気もよく,昼前から散歩にでかける.前回はだんだん体が冷えてきて,途中からけっこうつらくなって散歩どころではなくなったので,今回はしっかり厚着する.

まずは動物学博物館を目指す.その道すがら,大きな公園を通り抜ける.この公園には正直あまり期待していなかったのだけれど,結果的に,今日訪れた場所の中ではもっとも気に入ることになる.

こちらの公園や庭園には,もはや真っ青になって,歴史の流れを感じさせる銅像が,ほとんど確実に置いてあるのだけれど,この公園では,南側の入り口のところに,ひときわ大きな銅像があった.中央の人物を左右に取り囲む貝殻.何の意味があるのだろう? 公園の中にはアート作品も置いてあり,ほうほうと思いながら眺めていく.

そして大きな大きな芝生の広場.向こうのほうまでは300 mくらいあるだろうか.道がついていたりもするけれど,気にせず芝生をかきわけていく.北のほうには,大きな池もあった.

公園を出てすこし行くと,動物学博物館にたどりつく.落ち着いた空間に,きれいに展示されたさまざまな動物標本.来ている人たちはほとんどが子供連れの家族で,館内には自由にごはんを食べられるスペースもある.ひととおり館内を見た後,このスペースで,作ってきたサンドイッチを食べ,淹れてきたコーヒーを飲む.展示室と違って,休憩スペースは窓いっぱいの部屋で,あたたかい陽光が差し込む.

お昼を食べた後,もうちょっと遠出しようと,ひとまず墓地を目指す.その道すがら,パン屋さんに入って,クリスマスの時期に出回る?デニッシュのようなパンを食べる.サンドイッチは少ししか作ってこなかったので,たぶんお腹が減るだろうと思って.

パン屋さんから墓地はすぐそこで,工事中の区画を迂回して,中に入る.区画分けされて石の墓標があるところは日本の墓地と似ているけれど,ここは緑がいっぱいだった.芝生に覆われて,小ぶりな灌木や大きな木があちこちに生え,植物でもそっと墓標を覆ったようなお墓も目についたりする.

松ぼっくりをかわいく供えたり,墓標にリスが彫ってあったり,創意工夫が見られて楽しい.日本の墓地のような無機質な空間ではなく,庭園のような,自然に包まれた空間に墓地があるのは,すてきだなあと思う.

墓地を出て,庭園を目指す.幾多ある庭園の中でも,ここは特にきれいな場所と聞いていたので,期待も高まる.わりとこじんまりしているけれど,もちろん銅像があり,池があり,富士塚 (と勝手に呼んでいる) があり,さまざまな植物が植わっていて,たしかにすてき.

しかし,今は冬である.バラ園のような区画もあるけれど,どの植物も寒さに震えて,地味な色をしている.春や夏の良いときに来たら,たしかにここはきれいな庭園になるのだろうなと想像しながら,ひととおり歩きまわる.しかし冬の庭園というのも捨てたものではなく,ススキが震えていたり,生け垣の枯れ葉がかさかさと音を立てたり,なかなか趣がある.

子供が3人,かくれんぼをしているのを横目に,庭園を後にする.薄着で元気だなあ….

帰りは,川のほうの道を通る.住宅街の中のゴミ収集所のようなところにクリスマスツリーが灯っていて,ガレージセールのようになっているので入ってみる.人が棚に品物を並べていて,お客さんが数人いる.ほとんどは本で,残りはだいたい食器.

マグカップを探していたのだけれど,鳥が描かれたすてきな柄のものをみつける.品物を並べている人にいくらか聞くと,無料とのこと.セットになっているからもう一方の絵柄ももらっていって,と言われて,ふたつを手にして出てくる.おそらく,ゴミとして回収されたもののなかからまだ使えるものをより分けて出しているのだろうと思う.どういう仕組みで運営されているのか,詳しく聞いてくればよかった.

さらに帰途を歩く.途中,歩行者天国のようになっている繁華街があって,路面に,服や食べ物やアクセサリーの出店がでている一帯があった.雰囲気がなんだか日本のお祭りのようで,ちょっとおもしろい.ホットワインを飲もうかとも思ったけれど,厚着してきたおかげで今日はあまり冷えていないし,値段も安いわけではないので,やめておく.

途中から川に出て,昨夜帰ってきたのと同じところを歩く.昼間はたくさん人が歩いていて,たくさんの水鳥たちが,首をすくめて漂っていたり,潜って何かをぱくついていたりするのを見る.

3時間半くらい歩き通しで,家まで帰ってきた.お腹がすいていた.