よるのおわり

日々を愛でる

長い帰路

午後から,知人の家へ.市内の乗り物が安くなるカードを購入しようとするも,近隣の駅の自動販売機はすべて,日曜のためか,販売を停止している.一駅歩いてもっと大きな駅にやってくるも,こちらでもだめ.そしてどこにも駅員さんはいない.事務所もない.こんなことなら,空港から戻ってくるときに買っておけばよかった…

仕方ないので,通常の切符で目的の駅に行くことにする.チケット販売機ではきちんと目的の駅名が表示されるのに,路線図にはどこを探しても見当たらない.仕方ないので,一駅隣りのハブ駅まで電車で移動する.こちらの路線図にも表示されていない.検索,Googleマップと試して,もしかしたら地下鉄の系統が違うのかもしれないと思いつく.一度地上に出たのをまた降りて,空港とつながる系統に行くと,目的地の書かれた路線図が出ている!

十分に時間をとって出てきたものの,この時点で,約束の時刻に間に合うかあやしくなっている.地下鉄は途中から地上に出て,新都心のような,だーっと広い場所を通っていく.知人は駅のプラットフォームで待っており,約束の時間きっかりに電車が到着した.


知人の家からは,歩いて帰ってみることにする.新都心を抜けて,途中から,荒野のような自然公園に入る.いままで歩いてきた庭園や公園とはレベルが違っていて,雄大で広くて,自然の匂いを感じる場所.近くにあったら毎日歩きたくなるようなところ.

Googleマップを頼りに,広大なその公園を通り抜けていく.日はもう沈んで,空はだんだん暗くなっていく.公園を抜けた頃にはもう,夜になっていた.


そのまま,ふと思いついて,中央駅のほうへ行くことにする.もしここでカードが買えれば電車に乗って買える.買えなかったら引き続き歩いて帰る.途中で巨大なショッピングセンターを抜ける.冷えた体を温める.それにしても,自然公園と比べると,なんだか虚ろな空間のように見えてしまう.

ショッピングセンターを出ると,硬い雪が本降りになっている.粒がコートの表面を跳ねて,滑り落ちていく.雨でなくて良かった.道を急ぐ.

中央駅は,その名の通り非常に大きく,クリスマスの飾り付けもされて,壮麗だった.これを見られただけでも来て良かったかもしれない.そうして,ここでは例のカードを購入できる.これでひと安心.

ここまで来たからにはと,半ばヤケ気味の気持ちで,電車には乗らずに歩いて帰ることにする.イルミネーションが輝き,人でにぎわう遊園地の前を通って,Rが来たときのためにパンフレットを一枚持っていく.街の広場には大きなクリスマスツリーがあり,ソマリアスーダンの国旗を持った人たちが,一台の車のまわりに集まって,気勢をあげている.

また川のほとりに出て,昼間ほどは人や車が多くはないものの,深夜に比べるとやはりにぎわっていることを確認しながら,ひたすら歩く.足がこわばってきて,さすがにだんだんつらくなる.

やっと家の近くについて,明日のパンを買い,帰宅後,冷蔵庫からはソーダ水を出し,ぐいっと飲んだ.総計2時間半,Googleマップで調べると13 kmの道のりだった…