よるのおわり

日々を愛でる

犬と猫

信号待ちをしているとき,犬をつれたおじいさんのかぶった帽子が風にあおられて飛ぶ.ささっと半身を動かして,はっしと帽子をつかまえて,おじいさんに渡す."Thank you"と言われる.

おばさんの連れたモップみたいな黒い犬が,リードを脚に絡ませて,ひゃんひゃんと飛び跳ねるようにして,変な歩き方をしている.おばさんはそのことに気づいていない様子.数メートル進むと,リードはうまくほどけたようで,黒い犬はとことこと歩いていった.

公園に,毛足が長くて,ケナガマンモスみたいな犬が散歩されていた.お尻の毛には枯れ葉が一枚くっついている.ひとごとながら,彼女/彼が,枯れ葉のなかでごろごろ転げまわって遊ぶような趣味を有していないことを願う.

日曜の朝,駅に行くとき,窓の外を眺めている猫がいた.置物かと思ったけれど,こちらのほうを見たので,生きているとわかる.渋い顔をしており,しばしみつめあう.まだ飼い主は起きていないのか,電気はついていない.家の中は暖かくて平和そう.