よるのおわり

日々を愛でる

雪のランニング

朝,走りに出かける.
車も人も通らない,私だけの時間.よく見ると,芝生やら車の上やらに,うっすら雪が積もっている.昨夜降ったのかな.知らなかった.

要塞のほうへ行くとき,陸橋の上を通る.幸いなことに陸橋は凍っていない.いつも見えるペリカンのネオンは,今は灯っていない.日曜だからかもしれない.大きな駅のプラットフォームやたくさんの線路が上から見渡せる.ぽつりぽつりとさみしく立っている灯りに照らされて,いつもよりきれいに見える (帰り道で気づいたけれど,ホームに雪が積もっているからなのだった).向こうのほうには煙突から吐き出される湯気がもうもうとたなびいている.

港のところは,停泊するたくさんの船のあいだを吹き抜ける風が寒そうな音をたてるのだけれど,今日は風が弱いので,その音は聞こえない.ワイヤーがポールに当たって立てるカツンカツンという音がときどき聞こえる.人魚姫はあいかわらず弱い光で照らされている.

ちょっとコースを変えて一周していると,堀のほとりの道がうっすら雪でまぶされて白くなっている.凍ってもいないし,数mmの厚さだから,走る分にはなんら問題ない.ここを行くことにする.私の足跡だけが点々と残っているだろうか…とちょっと期待しつつ後ろを振り向いたけれど,足跡はそんなに目立たなかった.