よるのおわり

日々を愛でる

2017年のこと

2017年はいろいろ変化がありすぎて,2016年に自分が何を思っていたかも思い出せなかった.(こんなことを書いていたようだった)

年度末まではあっという間に過ぎ去った.北欧でのワークショップ,ムーアの先の研究所での測定,東京での缶詰生活,弾丸フィールドワーク,引っ越し,荷物をすべて送り出し,そしてカナダへ.

4月から11月までは,まったく新しい土地で,新しい生活.リモートでの仕事のコツをつかむのに結局半年以上かかってしまったし,ふたりで暮らすということに関して,たくさんの喜びを感じるのの1/3くらい,苦しみや焦りも感じた.調査や実験で,この本当にすてきな土地の本当にすてきな家で実際に暮らせたのは,この期間の半分くらいだったんじゃないかと思う.

閉塞感と忙しさに窒息しそうになって,仕事と生活の意義を見失い,毎日が苦しく,いらいらしてばかりいた時期もあった.ふたりで暮らすということの絶対的な安心感と,質の変化したさみしさというものがあることを知った.


仕事でも生活でも,2017年はひたすら種をまいて育てることに専念した.あるいは,"Think outside box".問いを立てる段階から徹底的に調べ,前提を疑い,そのための施策を実際に打った.そういうことをはじめたのは,研究に関しては,それ以前からちょっとずつ思っていたことが,2月に参加した東京での缶詰ミーティングで言語化されたため.生活に関しては,ライフステージの変化と,職探しの危機感と,人生と研究との折り合いをつけるべく奮闘する仲間たちの苦境を見て.

近所で見つけたとある教室に電話をかけて,結局2ヶ月しかできなかったけど週3でレクチャーを受けて,ある程度の見通しを立てることができた.研究以外のアウトプットや活動範囲を広げ,すてきな人たちと邂逅したり,ongoingの旧交をさらに温めたりした.10数年ぶりに車の運転を再開した (が不注意でバンパーをへこませてしまった…).来年のことも滑り込みセーフみたいな感じで決まって,また生活環境が変化することになった.


そうして,11月の後半からは,その総決算みたいな感じで,北欧のこの国に来ている.ある意味強制的に,日本で起こっているいろいろなできごとから隔離されて,研究や生活のことを,改めてゆったり見つめ直す機会にもなっている.

来年のことはなんとなく想像がつくけれど,その先はわからない.まいて育てた種を収穫できるところまでいけば良いし,そうでなくても,さらに新たな種をまいていきたいと思う.自分のなかに存在する「当たり前」を超えて,より遠くを見通していくために.