よるのおわり

日々を愛でる

サメの見張り台

海にぽつんと突き刺さった高い見張り台のようなところに、仲間と数人で冬ごもりのようなことをしていた。外は薄暗くて寒く、濁ってぼんやりした窓を細い雨が濡らす。幾日も眠り、暖かくやわらかな布団のなかでまどろむ。

海の中には大きな動物がいる。深海からのぼってきたサメの群れ。色が薄く、ぶかぶかとして、細長いその体長は10メートルを超える。

寒く黒い海の中をサメたちがおそろしく動き回るのを、布団から這い出しながら、見張り台の上から眺める。落ちたら命はない。

そんな夢。ディテールはだいぶ擦り切れてしまっているけれど、その確かな雰囲気を、夜、布団のなかに入ったときに思い出す。