よるのおわり

日々を愛でる

どうでもよいけれど、どうでもよくはないこと

たまに、ほんとうにどうでもいいことを書きたくなってくる。

こちらに背を向けて、猫がひなたぼっこしていたところを通りすぎると、その猫はビクッとこちらを振り向いて、そわそわ落ち着かなさそうにしていた。けれど立ち去ってしまうにはその場所が惜しいらしくて、四足で立ちながらも恨めしそうにこっちを見たまま動かない。お腹の毛が禿げていて、ピンク色のしわしわした皮膚が見えている。
私がまた歩きだすと、猫は、あ、もういいですね…といった感じに、またごろんと横になった。

すこし早く職場から帰ってきて、病院に行ったついでに、ここに越してきてからずっと行ってみたかった銭湯に行った。だいぶ陽がのびた夕方の前の空色の時間帯。もう少しすると濃い青に染まるはずの銭湯の天窓がすこし開いていて、その奥に銭湯の煙突が見えていた。
年季の入った建物に、追加料金無しで入れるサウナに、脱衣所のタイル張りの洗面台に、目を楽しませる古い古い広告に、という京都の銭湯の大盤振る舞いと比べると、関東の銭湯はどうしてもみみっちく思えてしまう。

上を見ているといろいろ気づかなかったものが見える。
「焼肉」と書かれた窓が半開きになっている昼間の真っ青な空。電柱の上にあるカラスの巣。太い枝がぼこぼこ飛び出ていて、なんだかカラスらしいなと思う。たそがれどきの空を飛んでいく飛行機。だんだんくすんでいく空に、機体だけが陽の光を浴びて、真っ白に輝いている。乗客たちはどこからどこに向かうのだろう。

下を向いて見ることもある。(未開封の割り箸が落ちているのを見る)。
道端に落ちていて、意外性があっておもしろいものはなんだろう? あんまり奇抜なものはだめで、めったに見かけないけれど、いざ落ちていればさもありなん、というようなものでなければならない。
このあいだは、バゲットの1カットが落ちていたのを見た。朝早い時刻だったので、まだ鳥なんかにも食べられていなかったのであろう。

家の換気扇は音がうるさい。たまに、照明と間違えてつけてしまうと、地獄の底から響いてくるような音がして、ハッとびっくりして、あわてて消す。

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