よるのおわり

日々を愛でる

熱帯夜

真夏のトーキョーは最高である、なんて思いながら眠った。

ちょうど目が覚めたのは、夢のなかで、大学の学園祭みたいなところで、ひとり舞台で演劇の大作をやることになっており、開演時刻をすぎても準備が間に合わず、しかしそもそも演技はまったくの素人の私がそんなことしていいのだろうか…と恐怖にかられつつも、なるようになるさ…!と開き直っていたところだった。これまでは、朝がたはクーラーを止めてもじゅうぶん涼しかったので、時計も見ずにクーラーを止めて、窓を開けてまた寝入った。

 

はずが、暑くてよく眠れない。枕元で首を振っている扇風機も助けにならない。うつらうつらして、背中に汗をかき、しばらく意識が覚醒と睡眠のあいだをふらふらさまよった後、起き出してトイレに立つ。そこで時計を見ると、なんとまだ2時を少し過ぎたくらい。もう早朝だとばかり思っていたのに。どうりで暑いわけだ。

窓を閉め、ふたたびクーラーをつけて、布団に倒れこみ、今度は朝まで眠る。目覚めたとき、カーテンの外が明るかったので、そうとわかる。目覚めたとき、今日はなにか大事な用があったはずで…としばし考え込み、カレンダーを見て、やっと、そういえば出立の日だったと思い出す。