よるのおわり

日々を愛でる

ピクニック

金曜日、ひさしぶりに晴れのマークが見えていたので、朝、家を出る前に洗濯をした。帰国した翌日の祝日の月曜の次の、はじめての晴れの日ではないかしらん。洗濯機は、前の持ち主も含めてかれこれ10年間使っており、ここ数年は洗いのときの回転が弱々しくなっていて、物をたくさん入れると、内側のほうはまったく水が浸透せずに乾いた色をしていたりする。なので、前日の夜から洗剤と洗濯物を入れて、漬け置き状態にしておいた。

そうそう、帰国してから、時差ぼけのために睡眠リズムがおかしくなっていて、夜なかなか眠れない。眠れないからお酒を飲みだしたりしてしまい、それで睡眠が浅くなって、余計に睡眠リズムが壊れて逆効果になったり、ということをこの1週間ずっと繰り返していた。

朝は朝で、金曜は、昨夜遅く寝たのに、4時半に目が覚めてしまった。やれやれ。まあ、この時間から洗濯をはじめれば早く仕事場にいけるなとポジティブに考えなおして、洗濯機を回しはじめる。片付けや整理をしていたら、あっという間に時間が経ってしまって、結局いつもと変わらない時間に家を出た。

 

さて、その金曜日、日中は完全に、秋晴れの金色の光が射していた。湿度が低く風はさわやかで、夕方近くになると、1年のうちこの時期だけに嗅げるすてきなにおいが混じった。この光を浴びて、風を嗅いでいると、唐突に、ピクニックに行きたくなった。仲間がいればいいけど、この天気があればひとりでもいける。サンドイッチでも作って、魔法瓶にコーヒーを入れて、スーパーですこしお酒とおやつを買って、どこかに繰り出すのだ。

場所はどこにしよう。人通りが少なくて、乾いていて、陰と日向のバランスがほどよいところ。見晴らしが良ければなおのことよろしい。

……その日は結局仕事がいろいろ詰まっていて、ピクニックには行けなかったのだった。しかしそもそも、ピクニックに行くのは平日ではなく休日が好ましいような気もする。問題は、この秋雨の時期に、からりと晴れた休日がやってくるのかということだ。

 

翌日の土曜、朝すこしだけ研究所に行ってお仕事をして、帰るとき、向こうの方に見えている小高い丘の上に芝生や木が生えていたのを思い出した。あの場所に行ってみたいなと前から思っていたし、見た感じ、ピクニックに最適な場所ではないだろうか。

晴れたらあそこに行こう。そう決めた。