よるのおわり

日々を愛でる

雨の匂い

夜、ひさしぶりにでかけて、帰ってきたとき、こちらに近づくにつれて雨が降っていくのがわかった。駅を出るとけっこう本降り。スーパーをぶらぶらして、10分ほど雨宿りした後、小降りになったところを見はからって、街に足を踏みだす。あとは帰って眠るだけだからまあいいか、と思うと、雨に降られているのがちょっと楽しくなってくる。
途中までは順調だったものの、お墓の前に来たあたりでまた強く降りだしてきた。そうはいってもやっぱり濡れるのはいやなので、もうちょっと待って! と思いつつ、しばし軒下を借りて雨宿り。強い雨は数十秒で過ぎ去っていったので、またすぐに軒下から出て、家に急ぐ。
家について、シャワーを浴びて、Rとすこしやりとりをしていると、いつのまにか22時半を過ぎている。早く帰ってきたつもりだったのだけれど。なんだか気持ちが昂ぶっていたのでコーヒーを淹れて飲み、歯を磨いて、布団に潜り込んでtwitterを見ていると、「夏の終わりの涼しい日みたいな匂い」という投稿が目に入って、電気を消したまま窓を開けてみると、本当にそんな匂いがした。そのまま窓を開けて寝たいような気分だった。

翌日、例によって眠りは浅く、睡眠時間が足りないまま早朝に目が覚めてしまう。しかたないので通勤してくると、目の前を小動物が逃げていくのが見え、並走して50メートルくらい一緒に走った。タヌキだった。最後には物置みたいなところに消えていき、ふむ、あのあたりに巣があったりするのだろうか。
朝には、礼文島の朝の匂いがした。暖かい空気と冷たい空気が海の上で混ざりあった匂い。