よるのおわり

日々を愛でる

バスのイメージ

夜、家にいて、ごはんを食べたあと、いつものようにふわふわと過ごしていたら、夕方バスに乗っていたときの寂寞とした雰囲気が、急に、ものすごい勢いで網膜に押し寄せるようにして思い出された。一瞬だったけれど、そのときの風の匂いや皮膚の触覚まで思い出せそうだった。それは、シュウカツをしていたときのことで、たしか、橋本のほうの研究所で説明会に出たのだった。そのあともしかしたら、学部のときの友人の事故物件アパートに転がり込んで2人でお酒を飲んで、二段ベッドの下で眠ったのだった。あらためて計算すると、今からもう10年も前のこと。

そのときのバスのなかの寂寞とした印象が妙に気になって、ディテールを思い出そうとしたけれど、その圧倒的なイメージにもういちど触れることはどうしてもできないのだった。