よるのおわり

日々を愛でる

夕方の風

病院にかかっているRを待ちながら、Lを抱っこして病院のまわりを散歩した。この日は台風が抜けたあとで、太陽の光の雰囲気が秋のようで、そろそろ日が沈もうとしていたこの時間帯には気持ちのいい風が吹いていた。病院の待合室の裏に見えていた散歩道のような裏道のようなところが気になり、隣接したスーパーで買い物をしたあとに、そちらのほうにぶらぶら歩いていった。Googleマップで見ると、裏道の奥は谷になっていて、広大な森が広がっているようだった。
コンビニでアイスを買い、舐めながら歩いていく。一度、車で通ったことがある道に出て、「ああここは…」と思いながら、谷に下っていき、さらにその先には海を望む切り通しの道路にやってきた。上には遊歩道があって、上がれるようになっているため、迷わず階段を登る。上からは、谷と海を一望にできた。説明板によると、この裏道はハンタ道と呼ばれる古道で、北から南までそうとう長くつながっているらしい。吹き抜ける風に汗を乾かしながら、また今度散歩しに来よう、と思う。
ハンタ道を通って病院のほうに行くと、猫がいた。その先では待合室で待っているRが見えたので、「窓の外を見てみて」とLINEにメッセージを送り、手を振りあった。その後病院の中に入り、眠ったLを抱っこしながら、待合室で『生理ちゃん』を読んだ。読み始めると非常におもしろくて、1巻を読み終わったところで診察が終わった。2巻が気になるところで帰宅した。
夕飯の準備をしていなかったので、帰宅途中に気になっていたバルに寄るも、本日貸し切りとのことでしかたなく帰った。家ではありあわせのものを食べた。なんだか不思議に心が満たされた夕方だった。