よるのおわり

日々を愛でる

秋の夜

夜の道を歩くと、いろいろな家から明かりが漏れていて楽しい。モダンな家はどこか開放的で、オレンジの光が涼し気な雰囲気である。幅の狭い路地に古い家があちらこちらと建っているところは、人も建物も息をひそめているかのよう。
道の向こう、街路樹が街頭に照らされて葉っぱの影が揺れているところには、猫がすくっと立っている。わたしがゆらりゆらりと歩いても、猫は立ち去る気配を見せない。このままあそこまでたどり着いたらどうなるだろう、と思っていたら、背後から車がやってきて、猫は逃げてしまった。