よるのおわり

日々を愛でる

頬を透かして見る世界

ふだん意図的に眠りにつくときには、頭のなかで同時にふたつのことを考えるのだけれど、今回は頬から皮膚を透かして外を見ていた。頬から透けて見える世界は現実とはちょっと違っており、若干、私を喜ばせるような、私におもねるような、そんな光景が、すこし濁った狭い視界のなかに見える。考えてみたら角膜だって皮膚の一部なのだし、頬を透かして外を見るのも、目で見るのも、そう根本的には違わないのかもしれない。

飛行機のなかで夜を明かした翌日、昨夜と同じく頬から外を見ることで眠りにつこうとしたけれど、あまりうまくいかなかった。