よるのおわり

日々を愛でる

引っ越し→移動

ワンルームのひとりの引っ越しはシンプルなもので、単身パックに家電と家具と本と服をつめて、すぐに使うものを別送し、なんなら半日くらいですべての準備は終わった。
今回の引っ越しでは、人数は3人に増えており、家は広い。詰めても詰めても必要なものが現れ、不用品はあとからあとから湧き出してくる。燃えないゴミを5袋、燃えるゴミを10袋、大量のリサイクル紙を出し、家電と家具を詰めた単身パックに、別送の荷物が20個ほど。布団や服は友人などに譲渡。朝から晩まで荷物を詰め込みゴミを分別する日が3日間続いた。

家を空にしてお昼過ぎに出発したときには、感傷的な気分になる余力もなく、やっと終わった……という達成感があった。空腹を抱えて開いているお店を探し、前から行きたかったところでやっとのことで麺にありつく。そうした大変さに比べるとフェリーへの車の詰め込みはびっくりするくらいすぐに終わり、港湾地区に放り出された。デイゴの木の下でタクシーを待ち、はじめて訪れた港から中心部に戻った。タクシーのおじさんはずいぶん親切にいろいろ教えてくれて、観光客の激減が大打撃であることを話してくれた。いつものごとく、最初は観光客と思われていたようで、ここにどれだけ住めば住人として見られるのか、まったく見当がつかない。

デパートや大通りはほとんどのお店が休業しており、いつもは道を埋め尽くすような人の流れもまったく見られなかった。リゾートのような素敵なお部屋で、二度テイクアウトしてきたピザとコンビニで買ったビールを飲み、元気なLに急かされて近所の夜の公園を散歩し、猫を探して歩き、宿に帰ってきて倒れ込むようにして眠った。