よるのおわり

日々を愛でる

クロダイ

川にさしかかると、浮浪者風のおじいさんが欄干にもたれて覗き込んでおり、魚を指して対岸の家族連れになにか言っている。家族連れは気不味さと無視の中間くらいの態度をとっている。せっかくならと思って、「何の魚なんですか?」と聞くと、「クロダイのこどもだよ」と教えてもらえた。あっちほうにもいっぱいいる、全部で100匹くらいいるんじゃないかね、とのことだった。
まだまだ話したそうにしていたけれど、時間に遅れそうだったので、「○○だよーー」『そうなんですかーーー』みたいな感じでだんだん遠ざかっていった。ちょっと悪いことをしたかなと思った。