よるのおわり

日々を愛でる

春に半分足を突っ込んでいる

季節がだんだんやさしいほうに動いていっていると感じる。
ああ冬だなあと思ったのは12月くらいで、それは、寒さのせいではなく、日照時間が短くなったためにそう思ったのだという気がする。あの頃は帰るときに自転車の灯りをつけていて、とっぷり暮れたなかをお迎えに行っていたけれど、今はもうまったくそうした機会がない。あっちこっち行ったり来たりしているから実感がなかったけれど、関東で冬を過ごすのは実は5年ぶり?なのだった。
春は、あの、泣きたくなるような夜/早朝の匂いと薄明かりが大好きだ。深夜、ふらりと気軽に家を出て周りをぶらぶらしてくるような自由はもうなくなってしまったけれど、早朝目が覚めて、玄関のドアをすこしだけ開けて空の色を確認するときに、その匂いを嗅ぐことができればそれで満足かもしれないとも思う。
下がっていた気温が一段階上がって、週末ごとに雨が降るようになってきた。雨の予報になっていた日曜、早く目が覚めてしまって、そろりそろりと起き出し、玄関のドアを開けると、大好きな空の色に濃厚な土の匂いがした。もうすぐに雨が降り始めるだろうということはよくわかった。
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