よるのおわり

日々を愛でる

夜の散歩

夕暮れの街をさまよっていたら、公園のなかに大きな池が現れた。金網で囲われており、野鳥の生息地になっているらしく、観察所があった。そのすぐ脇にはオートロックで全体的に背の低い高級そうなマンションがあった。その後、現実感の麻痺しそうな丘陵地の住宅地を登り、こちらもまた金網で囲われた広大な森を左手に見ながら道路を進むと、寂れた官舎が現れ、道は立ち入ることのできないあやしげな森に囲まれるかたちで行き止まりになっていた。お腹が空いたのをこらえながらもときた道をもどり、なぜだか急に焼いたイカを食べたくなりながら、家に着くともうだいぶ遅い時刻になっていた。

……後で調べたところ、このあやしげな森は本当にあやしげなところであり、迂闊に立ち入ると行方不明になりかねないところであることを知った。いやはや。

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