よるのおわり

日々を愛でる

つらさと読書

最近意図的に本を読む時間を作っている。いや、時間を作るとかそんな高尚なものでもなくて、料理を作る片手間とか、RとLがお風呂に入ってるあいだとか、そんな十数分にちょっとずつ。そんな時間があれば仕事にまわしたいくらい逼迫してはいるけれど、さりとてそんなことをするとメンタルがもたない。あと、最近はオリンピックやらCOVID-19やらに対する政府の対応があまりにひどくて、ニュースやSNSを見ているとつらさや憎悪?しか湧き上がってこないので、そういうのから身を遠ざけるために。(TwitterのアプリはとりあえずiPhoneから消した。)

本は読みたいから読んでいるだけであって、現実から逃げるために読んでいるのでもないけれど、読書の機能には少なからずそういうところがあるよなと思う。博士課程のときとかも狂ったように小説を読んでいた。今となっては(当時も楽しかった)良い思い出。

家に翻訳の違う版が2冊あった『ロリータ』は、いろいろ検討して、結局若島訳で読んだ。Rと私が1冊ずつ持っていて、結婚して家に2冊となったようだった。これだけの執着と偏執をこんなに理知的に描いてのける手腕に感心し、ロリータの視点から物語を再構築したらどんなにグロテスクになるだろうと思う。

『蕭々館日録』は美大の友人から薦められていて、しかしずっと積ん読になっていたものだった。本郷のあのあたりの街並みの様子とかを思い浮かべながら楽しく読んだ(まだ読み終わっていない)。芥川をちょっと神格化しすぎではと思いつつ、いまだに芥川の小説が国語の教科書に載っていたりすることを考えると、それだけ魅力のある人だったのかなあとも思う。あと2章を残し、初めから予想されている結末が訪れるのが怖くて、まだ先に進めていない。

薔薇の名前』はいろいろと書くべきことがあるのでまたの機会に。