よるのおわり

日々を愛でる

オーデンセ

知り合いを訪ねてオーデンセまで。わたしたちの渡航前にこちらに来ており、入国に関していろいろ教えていただいたのだった。前の滞在では首都のある島から外に出たことがなく、わたしにとっては初めての遠出となる。

朝、電車に乗って、予約した席に到着するとすでに人が座っている。そこは私たちの席で…とチケットを見せると、その老夫婦も半分重複した同じ番号の書かれたチケットを持っている。ダブルブッキングか……と席を分け合って座ってみると、今度はまたもうひとり若い女の人。その人のチケットにも同じ番号が書かれていて、なんとトリプルブッキング。やってきた職員さんに案内され、その人は別な席へ。わたしたちも、席を3つ予約したはずなのに、結局2つしか使えていない。職員の人はまったく悪びれる感じがなく、「屋根に座る?ハハハ」といった感じ。仕方ないものは仕方ないし、日本みたいにこちらが申し訳なくなるくらい謝られるのも嫌だし、このゆるさはこれで別にいいのかなと思う。
電車はずっと見渡す限り平地の場所を走り、改めてこの国は平なのだなと思う。海を越えるところで、Googleマップを見ながら「そろそろ海だな…」と思っていると、じきにトンネルに入ってしまい、すこし残念。しかしトンネルからはすぐに出て、趣のある海岸線を走り、窓からは海や洋上風力発電の設備が見えたりした。

昼前にオーデンセに着く。そのままバスに乗って大学へ。お昼の時間にちょうどぶつかってしまい、メインの建物は学生でごった返している。構造は簡単なのだけれどデザイン性が高く、同じように見える場所があちこちに出現する。そのため、待ち合わせの部屋がどこにあるのかよくわからない。結局、待ち合わせ相手のうちのひとりの方がわたしたちをみつけて、「○○さんですか?」と声をかけて案内してくれた。
研究の話をしたり、ラボを見せてもらったり。まだまだ話し足りなかったけれど、Lが飽きて暴れ始めたのでおいとまする。学生の波の引いた食堂に戻り、だいぶ遅いごはんを食べて、バスに乗って駅まで帰ってきた。

ホテルに荷物を置き、雨の降り始めた夜の街を歩く。こじんまりした雰囲気だけれど、建物の丈が低いので空が広くて開放感があるし、通りもきれいで、こちらのようなゴミゴミした感じがない。アンデルセンのおとぎの街といった様子。

翌日は晴れ。朝ごはんを食べたあとは街を歩く。外れに河があり、その川岸をずっと行く。河がある街や公園は良い。昨夜の雨に濡れた秋の紅葉が見える。空気は冷たい。
結構歩いて美術館に着く。もともとは織布工場だった建物がリノベーションされている。ゆかりのある芸術家などの作品が古くから最近まで展示してあり、建物内部も広くて趣があり、Lが眠って静かになっていたこともあって、久々の美術館をしっかり堪能した。
その後、レストランで昼ごはんを食べ、アンデルセン関連の博物館を覗いたりして、駅に戻り、昼過ぎの電車で帰ってきたのだった。ちなみに、帰りの予約の席は車両ごと存在せず、別な車両の同じ番号の席に座っていたところ、途中からその席の人たちが乗ってきてしまった。職員の人は「隣の席に座ってて大丈夫、誰も来ないよ、たぶん!」といった感じで、またしてもゆるさ全開だったのだった。

f:id:tsutatsutatsuta:20211019183050j:imagef:id:tsutatsutatsuta:20211019183106j:image
f:id:tsutatsutatsuta:20211019183110j:image
f:id:tsutatsutatsuta:20211019183112j:image
f:id:tsutatsutatsuta:20211019183115j:image