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よるのおわり

日々を愛でる

ソフトクリーム

仕事帰りに、最寄りの駅で降りたあと、駅前のスーパーに入って100円の安いソフトクリームを買って、ぺろぺろ舐めながら家まで歩く。

 

子供の頃はこんなことできなかったなあと思い出して、大人っていいものだなと思う。また、これくらいのことで生きる喜びみたいなものを存分に感じられるので、人生の燃費がいいなあと思ったりもする。

 

今日買ったのは、コーンの中まできちんとアイスが詰まっている、良心的なやつだった。

ジャスミン

スクーターで走って帰ってくる途中に,なんだかいい匂いにあふれた通りに出くわした.住宅街の裏道,ほかに車はまったく走っていない.夕方のほの暗くなりかけた光のなかで,そういえば,道の両端の植え込みがぽつぽつと白い.よく見ると,葉っぱの小さな,あまり見かけない樹種に,小さな白い花がぶわっと咲いて,ずっとつづいている.

この匂い,どこかで嗅いだことがあるような….道の切れる最後のところで,やっぱりスクーターを引き返して,植え込みの花の写真を撮る.

こんなにいい匂いのする道を通ったんだよ,と妻にその写真を送って,ついでに,なんの花か訊いてみる.

ジャスミンじゃないかな」

たしかに,たしかにそのとおり.ジャスミンティーに入っているあの白い花だし,あの強い香りも同じ.
私は,妻に,植物の名前を教えてもらうのが好きだ.

金色の光が緑に染まる

東京は,5月にしては記録的な暑さだったのだそうな.

痛いような陽射しがつくった陰に身を縮こめて,吹き抜けていく風に汗を乾かしながら,「どうして葉っぱはあんなに柔らかいのに,風に揺れて森がふるえるときには,あんなに乾いたサラサラする音が聞こえるのだろう…」と考えつつ,雑木林を通り抜ける金色の光が緑に染まっているのを見たとき,なんだか,圧倒的な爽快感が一瞬駆け抜けていって,生きていることがとても素晴らしいことのように感じられた.

あとから何度もその感じを思い出そうとしているのだけれど,こぼれたパン屑みたいなかけらしか,拾えていない.

一瞬だけの光

バスの窓から見上げたマンションの7階くらいのところに、鳥よけのCDがたくさんぶら下げられていて、夕暮れの光をきらきらと反射していた。

 

電車の外には、遠くに、魚の皮膚みたいに光る空があって、淡い色の雲が細くシルエットになっていた。窓の外に過ぎていく水田が、その光を反射して、弱い光がさらさらと並走していく。

木の下

ゴールデンウィークの終わりの頃の夕方,近所のスーパーから家に帰る途中,家のあいだの空き地にふと目をやった.奥に小さな木があって,その下に机があって,ごく軽装の,おじいさんと若い男性が,ふたり向かいあって,将棋か何かを指していた.

また別のとき,近所を自転車で走っていると,草の生い茂った大きな空き地のようなところに出た.その中央には大きな木が青々と枝を広げていて,その下ではおじいさんが農作業に精を出していた.

私も,木の下の日陰で,ゆっくりとなにか作業をしてみたいなと思う.