よるのおわり

日々を愛でる

2018-11-01から1ヶ月間の記事一覧

寄り道

お仕事が早く終わったので、一駅分歩いた。晩秋の陽射しのなか、高級住宅街をてくてくと。公園の木には大きなカラスがとまっており、あちらのほうからはまごうことなき三線の音が聞こえる。近寄ってみると、ベンチに座ったおじさんが脚を投げ出して、気まま…

夜の樹

寝ない児を抱っこして夜の道を歩く。明け方は真っ暗になるのだけれど、日付が変わる前の夜は、まだどことなく明るい。雲に街の灯りが反射しているのかもしれない。お墓(こちらのお墓は、私たちを威圧してくるような感じがなくて、守ってくれるような抱擁感…

秋の帰り道

陽が沈む直前の道を歩いて帰った。いつもは通らない道で、左側に広大な公園(森?)が広がっているのを知った。今度歩いてみよう。右手の見晴らしの良いセレモニーホールでは、結婚式をやっているらしく、礼服姿の若い男女がエントランスの外で談笑していた。…

丘の上の家

寝ない2週児をスリングに抱いて早朝の近所を散歩した。ここでも、朝晩はだいぶ冷気を感じるようになってきたので、分厚いパーカーをスリングの上から着て、裾でさらに包んだ。この人がこんなに外に出ているのははじめてではないかしらん。家を出て、どこに行…

犬の遠吠え

午前中、スーパーから戻るときに、救急車のサイレンと、赤ちゃんの泣き声のような声が聞こえる。(最近なんでもそう聞こえてしまう)でもヒトの声とは少し違う。 きょろきょろまわりを見渡すと、近くのコンクリート造りの建物のバルコニーで、犬が遠吠えをし…

猫の横断

信号待ちをしているとき、交差点をはさんで向こう側の歩道を、猫が待っていた。歩行者信号が青に変わって、猫が踏み出そうとすると、左折車が立て続けに通って、猫は渡れない。車が行ってしまって、青信号が点滅をはじめたとき、猫はちょっと周囲をうかがっ…

病院の鳩

病院の雨上がりの窓から2階のベランダバルコニーを眺めていたら、青空の反射する水たまりの向こうの壁のところに、鳩がちょこんと座っていた。外の方を見ていた。

雨の日曜日

早朝、家を出るときに、夜中雨が降っていた形跡を認めた。ここ数日気持ちのいい秋晴れがつづいていたし、雨は朝だけだろうと思い、折りたたみ傘はカバンに入れずに家を出た。 昼過ぎ、仕事が終わって、地下の窓のない部屋から出てくると、外では細かい雨が降…

島の週末

次に会えるのは1ヶ月後だねなんて話していた9月の中旬頃のことは嘘のようにすばやく過去のものとなり、10月の中旬の週末になっていた。金曜の夜の便で島についていて、その夜は冷蔵庫のなかの食材であり合わせの夕飯を作った。 朝、8月のデンマークからおみ…

徘徊

ゲストハウスの無機質なロビーで朝ごはんを食べながら、今日の予定を考える。今日は予備日に確保しておいたけれど、仕事は全部終わってしまったのだった。思いついたのが、今扱っている資料の出てきた遺跡に行ってみるということ。報告書やGoogleマップで場…