よるのおわり

日々を愛でる

2013-05-01から1ヶ月間の記事一覧

都市の雷

シートで覆われた工事現場で溶接をしているようだった. 夕暮れの町に,ときたま鈍い明かりが閃く. まるで,そこだけ雷が落ちているような.

都市の蛸

シャンデリアが捨ててあった. うねうねした悪趣味なガラスが目を引く. まるで,蛸が捨てられているかのような.

続・豆の匂い

例の「豆の匂い」がした。エンドウ豆のスナックの袋をのぞきこんだとき。やはり「豆の匂い」は豆の匂いだったのだ。

強制

人の心は強制できないことはわかりきっている. 強制できたとしても,とても気分が悪いだろう.なのに,どうして愛されたいと願うのだろう. エゴを振りまくことと何が違うのだろうか.

Ouroboros

「それは言い訳でしょう」が「でも仕方ない」に噛みついて,本体は同じなのに.

直射日光

自転車に乗ると腕の背面が日に焼ける.たぶん,ハンドルを握っているあいだはずっと,太陽の方に向いているからだろう.日焼け止めを塗ってもグローブと半袖の跡がついて,でもそれはそれで,自分の体に自分が影響を及ぼせることを確認しているようで,なん…

失語

言いたいことがたくさんありすぎるからかもしれないし,何も言うべきことがないからかもしれないし,言葉に対するやさしさなのかもしれないし,言葉に対する失望でもあるかもしれないし,口にだすことで何かが不可逆に変わってしまうことを恐れているのかも…

閉じ込められている

小さい頃からずっと「閉じ込められている」と思ってきたのを,ふと思い出した.表面上は同調しているようで裏ではみんな出し抜きを狙っていた学校社会とか,「やさしさ」で厚く包まれて逃げ場のなかった家だとか,どうにもならない自分自身とか,そういった…

お返事

返事を待たせているほうが,来るかわからない返事を待つよりも,心が穏やかであることを知りました.

転換

不機嫌をぶつけてごめんなさい,と言った. 私でなくあなたの問題だから謝る必要はない,と言われた.

もっとも濃くてずるい青

風の強い日で,夕暮れの帰り道に尾竹橋を通ったときだった.いろんなことが思ったとおりにいかないんだなという失望感に,ちょっとした希望が加わって (でもその希望だってしょせん極大値でしかないんだろうとかえってやさぐれた気持ちで),ペダルを回してい…

期待

答えはNoだと,返事をもらう前からわかっているのに. どうしていまだに問いかけを投げてしまうのでしょうか.

不機嫌

まるでいま気づいたかのように当惑の色を見せて. こんな自分がここにいることが誰かのせいであるような. でも決して私を責めるわけではないふりをして.どうすればよかったのですか? さっきまで笑っていたあなたと向かいあっている私は.

昼間の照明

昼間の照明というものが苦手だったりする. なんというか,あきれるくらい白々しいのだ.だから,今日みたいに陽の強い日はうれしい. 窓から差し込む明かりが十分に役目を果たす.

煩悶

言葉が感情に飲み込まれていく。 鉤縄のように投げた言葉にも回り込まれて。 こんなことを書き散らすのが精一杯。

あちらの陽

ドアを隔てた向こうの部屋に陽が差し込んでいる. 磨りガラスの覗き窓の端に閃くオレンジ色.

止まった腕時計

夏になると露出した前腕が寂しくなるので,腕時計をつけることになる.しかし実は,腕に何かを巻くということがどうも苦手だったりする.異物がついているようで落ち着かない.お気に入りの時計もあるのだけれど,感覚的には巻きたくない.しかし見た目的に…