よるのおわり

日々を愛でる

2013-12-01から1ヶ月間の記事一覧

2013年に読んだ本

今年読んで印象深かった本を振り返ってみる.いちばん,と言われるととても困るけれど,あえて挙げるなら,吉田篤弘『小さな男*静かな声』になるのかな.さらさらと流れていくのっぺりした日常にアクセントをつけて,無機質なさみしさと共存していくふたりの…

アリジゴク

大きくなってからは比喩上の蟻地獄にしか出会っていないけれど,ふいに,生物としてのアリジゴクのことを思い出した.実家が今のところに越してくる前,家は団地の1階にあって,その軒下は子供の頃のお気に入りの場所のひとつだった.軒下にはサラサラした砂…

雨上がり

ビルの谷間に空が切り取られていて,自分が魚になったような想像をする.水たまりに映る空は,海のようにもみえる.見上げることは見下ろされることで,見上げたはずが見下ろしている. 見上げる 見下ろす

渡り鳥

アバディーン大学の四角いスイカみたいな図書館の最上階のセミナー室から見た,渡り鳥のこと,忘れちゃいそうだから,書いておこうと思う.1日目はどんよりと,午前中から蛍光灯をつけないと気が滅入ってくるような曇り空だったのが,2日目は朝から晴れ渡っ…

チベット映画

「ペマ・ツェテン映画祭」でチベットの現代映画を観てきた.山間部や草原の遠景が,風の音や草の匂いをここまで運んでくるような美しさだったし,表情や演出を抑制した静かな雰囲気から,登場人物の心の動きがおだやかに伝わってくるようだった.映画は同時…

スコットランド

どんよりした広い空と,長い夜と,海の近い石造りの街が,すてきなところだった.カラスだけでなくカモメが街や大学にいて,芝生で足踏みをしたりしていた※.空き時間に海まで散歩したり 椅子が捨ててあったり 彫像だって体を休めたかったり ※ こんなの→ Hap…