よるのおわり

日々を愛でる

2013-01-01から1ヶ月間の記事一覧

笑い転げる

死にそうなくらい笑い転げられるのは子供の特権なのだろうか.小さい頃,きょうだいと一緒に,よく,笑い遊び転げていた. それこそ息がつまって窒息死しそうなくらい. なにがそんなにおもしろかったのかは,おぼえていないけれど.大きくなって,そういう…

目張り

時間の密度が大きくなっている. だから,なかなか言葉が滲み出てこない.そのうち決壊するだろうか. それもよくわからない.

表現と選択

表現するとは選択するということである. いろいろな視点のうちのどれかをとるということ.物事は多面的で,それを見る視点も無限に存在する. 表現したいのであれば,そのうちのどれかをとらなければならない. 選択が,どんなに苦しいことであっても.そし…

カフェインマウス

住んでいる建物にネズミが出るようになった. シンクの下の戸棚が,どこかの空間とつながっているようで. 入れておいたホットケーキミックスは見事に食い荒らされた.いっとき掃除をして食料を引き上げたら,被害は止まった. そこで油断したのがよくなかっ…

ぐにゃぐにゃする時間

時間が変形する.研究に集中しているとき,気がつくと夜になっている. あっというまに一週間が経って,同じ曜日を目の前に見る.わからない返事を待っている時間は,とても長い. 身もだえてしまうくらい,とても.これらが,同じ絶対的な時間軸のなかに共…

凍りついた寛永寺橋

3日前に降った雪はだいぶ融けていた. 車道には氷も目立たない.だいたい,氷は自転車の大敵なのだ. けれど,今日はもう悩まされることもなかった. 一箇所,寛永寺の陸橋を除いて.それはもう,橋全体が凍りついているという感じ. 歩道の半分には雪が積み…

青い空と暗い空

そのレトロで古びた銭湯の書き割りは,富士山だった. でも,上半分は真っ青に塗られていて,主役は空のようにも見える. 時は容赦なく襲いかかったようで,その青の端は黒ずんでいた.夏の空は真っ青に見える. けれど,真っ暗な何かが忍び寄ってくるような…

揺れる湯

銭湯の湯船の底が,緑と白のタイルの市松模様になっていた. お湯が揺れるのにあわせて,その模様も揺れる.その様子を,お湯に浸かりながらぼんやり眺める. 一瞬,たゆたっているのが,湯なのか私なのか,見失う.

降り積もる雪

降り積もる雪を何時間もじっと眺めていたいと思ったときがある. あれはたしか,高校か大学の受験勉強をしていたとき.でもそのときは勉強のほうをとった. 雪をゆっくり眺める余裕もない人生に意味はあるかと考えながら.時間に追われている点では,10年く…

飛び出し系の会合

同じような時期に退職してフリーになった会社員時代の同期ふたりと,ひさびさ (たぶん退職日以来じゃないだろうか) に会った.強さと明るさと,遠くまで見渡す澄んだ目と,よりいっそうステキになっていて,なんだかとってもうれしい気持ちになった.もうひ…

ここで振り返り

これほどたくさんの文章がどこから湧いてくるのかと思う. 文章というより,イメージのスナップショットに近いかな.月ごとにエントリ数が増えていくのを見ると,不思議な気分になる. どこで飽和するのか,飽きるのか,楽しみにしていよう.

隊列タクシー

対向する2車線に4列ずつ,8台の自動車が信号待ちをしていた. 早朝の通学途中,こちらから見える5台はすべてタクシー.信号が変わって,形のそろったタクシーが動きだしたとき. なにかの隊列が動きだしたようで,ちょっとした壮観だった.他の3台もタクシー…

キツネ

目に見えるカタチからは安心を得やすい. たとえ確実なナカミがともなっていくなくても.そんなこと誰もがわかっているけれど. でも,カタチ以外にナカミを確認する方法はないのでした. まあ,これは,しかたのないことだけれど.それで,カタチの安心が得…

なんかつかれたら

逃げて逃げて!自分の人生に必要のないものからは. 記号,常識,自分自身,そんなものから.そのとき,大切にしてるものを持ち出すのも忘れずに. そうすれば,いつかはきっと,逃げ切れるから.

飲み込んだガム

飲み込んだチューインガムはどこに行ってしまうのだろう.小さい頃は,ガムを飲み込むと息が詰まって死ぬ,と考えていた. だから,ガムの飲み込みを,それこそ,死ぬほど恐れていた.けれどまあ,これまでの長い人生で,飲み込んでしまったガムもいくつかあ…

饒舌の方法

饒舌の方法にもいろいろあるような気がする. しゃべるということだけが饒舌ではないのだ.ある人にとっては,やたらと写真を撮ることであったり. またある人には,眠そうにすることだったり.そうしたとき,その人の存在感が閃く.

新宿秘宝館

ギャラリー新宿座の「新宿秘宝館」に行ってきた.まず,ひと通り見渡しての印象は,「秘宝館らしさ」を忠実に表現しているなあ,ということだった.私は本物の秘宝館に行ったことはないけれど,伝聞のイメージとそっくりそのままな世界が広がっていた.中学…

麻酔

麻酔が,うまく効くときと効かないときがある.何に関係があるのかいまだにわからない. 睡眠,疲労,時間帯,気温,….少なくとも言えることは,今日は最悪だったということ. 歯医者をでた後も,恐怖で震えが止まらなかった.

昼間の街

久々に,昼間の街に出た.人や店やモノが覚醒していることが新鮮だった. 太陽の光がすべてを照らしているのに驚いた. それらが,五感を通じて,私にはたらきかける.世界ってこんなにごちゃごちゃしてたっけ. だいじょうぶ放っておいて,と思うけれど,ど…

祖母の黒電話

祖母の家ではいまだに黒電話を使っている.当然,私がそのダイヤルを回すことは,ほとんどない. その一方,私がその黒電話に電話をかけることは,ときどきある.この黒電話,受話器をとると,最後に「チン」と締めの音がする. 電話がつながった瞬間,こち…

湯船

湯船に浸かっていると眠くなってくる. そしてその結果,溺れそうになる.息ができず意識がにごっていくところを想像してみる. 本当はきっと苦しいのだろうけれど.そのとき,歯の治療の痛さなんかを思い出したりするときっと良くない. 別にいいかな,と素…

水の音

鶯谷駅近くの交差点に、中から水が流れる音のする建物がある。自転車の信号待ちでふと気づき、その一瞬間以降は忘れてしまう。温泉や銭湯ではなさそうで、たたずまいは旅館のよう。しかし看板を見ると、宿でもない様子。実は建物は吹抜けで、中に大きな滝が…

盛大にささやかに

いろいろな人に感謝しないといけないと思う.あるときは盛大に. 感謝することで相手も喜んでくれるような場合.あるときはささやかに. 白々しかったり,そんなこと言えた義理でないような場合.そう「盛大に,ささやかに,何度でも」.

下水道の湯気

早朝,下水道の鉄格子から,湯気が立ちのぼっていた. どこかの家から,温かいお湯が流されたのであろう.立派な湯気は,どことなく人の姿を思わせた. 夜中に見ていたら,幽霊に間違えたかもしれない.

さみしさ

ずっと小さい頃から,さみしさなんて圧迫して弾圧してしかるべきものと思って,そうして適当なあきらめをつづけてきて,もうそろそろいいかなと思って顔をあげてみても,ある種のさみしさはさみしさであることをやめていたものの,まだやっぱり,別なさみし…

ほうじ茶

べたっとつづきそうな時間に,継ぎ目を入れてくれる. それが「お茶を飲む」ということだと思う.それで,最近,ほうじ茶がおいしい. カフェインに過剰反応があらわれてきたこともあるのだけれど.紅茶やコーヒーに比べて「お茶を飲む」雰囲気が強い. ただ…

寒さの境界

寒さには、モノの境界をはっきりさせるようなところがあって。それがどうも得意ではない様子。真冬はまだ良い。何もかも、はっきりした境界のなかに、しっかり固定されてしまうから。冬の終わりは好きだ。境界がゆるみはじめる気配が、なんだかわくわく楽し…

密度

冬,暖房をつけていて,ふと立ち上がる. すると,頭の上に暖かい空気がただよっているのを感じる. 足は冷たいのに. それで,そんなとき,オレンジジュースが思い浮かぶ. 氷が溶けて,二層に分かれている様子.

消えゆく先

この場所に存在を記録されてしまった思考の断片たち. 記録されなければ,それらはおとなしく消えてゆくのだろうか. もしそうだとしたら. …その消えてゆく先を,ちょっと見てみたいなと思うのでした.

追いかけっこ

追いすがってくる言葉から全力で逃げる. それらはもはや自分の言葉には思えない. けれども彼らだって本気なのだった. 私は逃げながら新たな言葉をまき散らす. それらもいつか追いすがってくることだろう. たぶん一生つづく,追いかけっこ.