よるのおわり

日々を愛でる

2012-11-01から1ヶ月間の記事一覧

複数の月

昨日の朝の月はきれいだった. 寛永寺の高架で,街頭と並んで,月が5,6個あるようにすら見えた. 寛永寺橋は,日暮里・鶯谷と上野公園一帯をつなげている. あいだを隔てているのは山手線の線路. 普段から,これらの地域には違った雰囲気を感じていた. 昨…

ガラス片

今朝,駅近くの一角に,ガラス片が散乱していた. 周りには立ち入り禁止のテープが貼られ,警察官が歩行者誘導をしていた. 朝が早いか,夜が遅い人びとが,見るともなしにそれを見ていた. 怪我人などはいない感じで,どことなくのんびりした雰囲気があった…

不忍池

不忍池のほとりをたまに通る. 通学や,上野に用事のあるときに. こっちに来て初めて通ったのは,10月だったか. 晴れ渡る空と,青々とした蓮の葉が,きれいに映っていた. 今朝,通学途中で久々に通った. 朝まだ暗いうちだったけれど,蓮がだいぶ枯れてき…

博物館

この建物にはいろんな部屋がある. 居室,実験室,標本室,倉庫,… でも実は,どんな種類の部屋があるか,あまり把握していない. 考え事をしながら居室の扉に着いたときには,ふと思う. 「えっと,この部屋で良かったのだっけ」 これまでは間違えたことが…

運動

選ぶスポーツを間違えてきたかもしれないと思っている. 小中学生のときは野球をしていた. 自分より立場の強いチームメイトたちの視線にびくびくしてばかりいた. 打撃より守備が好きで,あんなに重いバットを振り回せるものかと考えていた. 試合に出るよ…

直感

直感は案外当たる. 特に,人間どうしの相互作用が関わってくる場面において. 人は「論理的な思考」で行動や思考に理由をつけたがる. そして現代は,この思考が過大に評価されている時代であると思う. 私は,そんな時代の申し子である. 論理的な思考は,…

雨の日

昔は,雨の日が好きだった. 毎週土日の草野球が大嫌いで,雨の日には中止になったから. 今は,たいていの雨の日はあまり好きでない. 理由は簡単,自転車に乗れないから. すし詰めの電車で通学するのは非常に憂鬱である. しかし一方で,通学する必要のな…

好意

基本的に,好意というのは本当にありがたいものだと思う. しかし,それは同時に,怖いものでもあると思ってしまう. 好意に応えられず相手を失望させてしまうのが怖いのか. それとも,好意が途絶えたあとを想像して怖くなるのか. そして,好意は,受ける…

光る植物

温室の内側に小さな光が灯っていた. ときは朝の4時半すぎ. 温室のくもりガラスがぼんやりと照らされていた. たぶん,置き忘れの手持ち電灯か何かだろう. だけれども,植物が光っているのだったら良いなと思った. そんな,冬の博物館.

匂い

匂いと心身の状態は密接に結びついている. 私にとってだけなのか,みんなそうなのかは知らないけれど. たとえば,私は車の匂いに酔う. タバコの匂いのついた服を着ている日は,憂鬱な気持ちになる. 寝不足になると,コーヒーやミカンの匂いが変わる. 昔…

早朝の雨

早朝に目覚ましが鳴った. 昨夜仕掛けたのは覚えているが,その理由は記憶がない. しかし,とにかく私は眠いのだ. 大した理由ではないのだろうと思って寝つづける. 数十分後,雨の音に,また半分ほど目を覚ます. このとき思い出すのだった. 雨が降る前…

そのままを受け入れる

何でも思い通りにしたいと考えると,きっと苦しい. だって,自分すら思い通りにならないのだから. 周りがそうなっていたとして,それはそうなんだと受け入れる. 自分の状態だって,同じように,受け入れる. 最近,やっとそういうことができるようになっ…

キレンジャク

剥製になった鳥は飛んでいないのだった. くわえた木の実を支点に,枝に固定されているだけ. 剥製になった鳥の後肢は,木の枝をつかんでいなかった. 細い後肢は,木の枝にくっつけられているだけ. 剥製の後肢は,支持器官として,かえって脆弱だった. 鳥…

夢認定

悪夢にうなされとび起きる,ということは滅多にない. それよりはむしろ,いやこれは夢なのだ,と認定して粛々と起きる. この夢認定が,悪夢への防壁になっている感がある. 今日の夢は,身に迫る危険ではなかった. そのかわり,内面的な醜さがじわじわと…

言葉の軽さ

私にとって,話された言葉は,書かれた言葉よりも軽い. だから,よく油断して間違いをする. その存在がふわふわしていて,つい注意が浅くなる. そして,そうすると,話された言葉はとたんに重さをもつ. その重さが,私を長いこと苦しめる.

飛行機に乗る

飛行機は,朝早くか夜遅くに乗るのが好きだ. 昼間の中途半端な時間はいけない. 一日のその前後が,ぼんやりした気分で過ぎていってしまうから. 朝暗いうちか,終電も間に合わないくらいの遅い時刻. そんな時刻に空港におりたちたい.

間の長いやりとり

間の長いやりとりはちょっと楽しい. 急ぐでもなく,何を決めるでもなく. 相手への返事をゆっくり考えて,相手からの返事をゆっくり待つ. そこには,なんとなく暗黙の了解があるような気がして. しかし,それを確かめると心地良さが終わってしまう気もし…

お気に入りのペン

お気に入りのペンで絵や文字を書くのは楽しい. インクの滑り,線の太さ,色,にぎり,キャップの音… いろいろな要因が,複合的に,お気に入り感をつくりだす. 高価なペンは良いペンかもしれないけれど,価格はあまり関係ない. 気にいるかどうかは私に委ね…

びっくり

びっくりは,するものなのか,させられるものなのか. (いや,言葉遊びじゃなくて,わりと真剣な問いですよ). たとえば,集中していてふと声をかけられたとき. ヒッ と体をびくつかせた後に毎回思う. 「今のは,びっくりを演じたのだろうか?」 まず,無心…

うぐいす・だに

「蔦谷」という苗字は最近でこそ正確に読まれるようになった. しかし,昔はそうでもなかった. 高校時代,英語の授業で「うぐいすだに」と呼ばれたことがある. 後で友人から,それが「ウグイス・ダーニー」に聞こえた,と聞いた. 外国人の転校生が知らな…

「ギャップ萌え」

早朝は池之端門が開いていないので※,登校ルートが普段と変わる. 上野公園を抜けて,上野駅を尻目に,湯島から龍岡門へ. まだ暗い上野公園はどっしりした静寂が支配している. ルンペンの人たちと,散歩の人たちがまれに見える程度. 上野駅周辺の朝は気だ…

続・したいことをすればいい。

したいことをすればいい。というのが,ここ数年の最重要テーマだった. それは私にとって正しい気の持ちようだった. このヒトコトによって忘れていた気概が思い出され,人生の選択と決断に大きな影響を与えた. しかし,私は「したいこと」にこだわりすぎて…

ドッジボール

小学生の頃,ドッジボールが流行っていた. 強い球を受け止め,また強く投げ返すのが当時の花形であった. しかし私は逃げるのが専門だった. 最後のひとりになっても決して当たらない. たまにしくじることもあったけれど. コートと人の空間配置を認識して…

呪いの言葉

呪いの言葉に反応してはいけない. 人が呪いの言葉を発しているのを目にしたとき. 自分が自分に向かって呪いを吐いているのに気づいたとき. 認識は,自動的にしてしまうもの. しかし,さらに反応してしまえば,呪いの存在を内側に呼び寄せることになる. …

夜のエスプレッソ

夕食後にエスプレッソを飲むと眠れなくなる. これは昨日発見した新たな事実である. おかげで昨夜は申し訳程度の睡眠しかとれなかった. 夜のエスプレッソには,濃厚なおいしさがあったから良いのだけれど. 今後,眠りたくない夜に,積極的に活用していこ…

3枚の写真

イタリア料理のレストランの壁にいくつか写真があった. ひとつは,剣山のようなものを持ったおじさん. 彼はそれをソーセージかなにかに突き立てていた. 肉を柔らかくしているのか,何か菌でも植えているのか. 背後には岩塩のような大きな塊が見える. も…

歯医者慣れ

ここ4年間,歯医者に通わなかった月はないかもしれないというくらい. (…すみませんちょっと誇張ですね.) 4年間でお世話になった歯医者さんの数は5を超える. そんなわけで,歯科治療にだんだん慣れてきてしまった. 治療中には眠くなるし,麻酔が効きにく…

はじめての雨

雨というのも,考えてみれば不思議なもので. だって,空から水が落ちてくるのですよ. 雨の日は,音や匂いがよく感じられるようになる気がする. 気分がしっとりして,世界がちょっと違って見える. この世に生まれて最初に雨を見たとき,何を思うのだろう…

突然の別れと出会い

別れも出会いも,やってくるのは突然である. だから,後悔のないように日々を重ねなければならない. その機会がこの瞬間にやってきたって良いように. 悲しいことに,次なんて存在しないのだから. まあ,それがゆえに,人生は面白いのかもしれないけれど.

詰め込み

あれもこれもと欲張って詰め込んでみた. それは,自信があるからでもあるのだけれど. しかし途中で,明らかにうまくいかないことに気づいた. そこで,とにかく捨ててみた. 残す理由でなく,捨てる理由に注目して,一番大事なところだけは残して. そうし…