よるのおわり

日々を愛でる

2019-01-01から1年間の記事一覧

2019年に読んでおもしろかった本

今年読んだ (仕事のものでない) 本は30冊くらい。海外文学を中心に読んで、きわめてすばらしい本にも出会った。生活のリズムを取り戻すために本を読んでいたようなところがあって、短い時間に読んで気分を切り替えられる短編が多かったかもしれない。 特にお…

2019年

2019年は停滞の年だった。仕事時間は半分になり、期待していた成果の最低限のラインをやっと達成できた程度。これはこれで仕方ないけれど、意識や時間の使い方について、抜本的な対策が必要なのかもしれない。状況がいまいち中途半端で、新しい領域を開拓し…

うくく

日頃からまめに掃除をしていれば年末の大掃除など必要ないと常々思っているけれど、Lが産まれてからはつねに家の中が散らかるようになり、掃除をしてもすぐに汚れるので、大きな掃除をどかんとするより小さな掃除を積み重ねるほうが良いのではないかと思うよ…

グスク

すこし仕事をしたあと、そば屋さんでお昼を食べ、博物館に行って特別展を観てきた。 いろいろなグスクをドローンで空撮した映像がナレーションもなしに淡々と写し出されているところで、その非現実的な雰囲気に感心しながらしばし見入ってしまった。多くのグ…

夜の海

夜ごはんを食べに行ったあと、海に寄ってみた。夏の台風のときに吹き寄せられた砂がまだ駐車場に溜まっていて、白熱灯のオレンジ色の光に照らされて雪みたいに見えた。やっと冬と言えそうな冷たい風が吹き始めた日で、頬にその風を感じていると、一瞬たしか…

奄美大島 その後

加計呂麻島に行く予定だったのをとりやめて、山道を通って1番栄えている街まで移動する。ときおり雨の降る曇り空で (結局滞在中は常にこんな天気だった)、浜には大きな波が打ち寄せて、山の上の展望台では霧がかかってなにも見えなかった。それでも、力強い…

奄美大島 1-2日目

初日、空港から島の南端まで一気に移動する。博物館やタコ焼き屋に寄り道していたため、山道に入る頃にはとっくに暗くなっており、やたらと急ぐ地元の車にびくびくしながら走る。ようやく目的地に近づいてきて、後続車のいなくなった山道で、一瞬だけハイビ…

千提寺

研究に大いに関連する対象となった千提寺の山村をやっと歩くことができた。山々を切り裂く高速道路の圧倒的な力と、人びとが大切に隠し通してきたものの重み。茨木や千里中央から、住宅地などを通ってバスが行くのもよかった。まるで別な世のことのようだっ…

初めてのみんぱく

初めてみんぱくに行った。モノレールの独特の雰囲気を通り抜けて、太陽の塔の脇の下?を通り、ラーメンEXPOが開催されているのを横目に見ながら、紅葉の公園を先に行く。白く大きな建物の中に入り、展示室へ。 週末にもかかわらず、人はそこまでおらず、眠っ…

雨の休日

風混じりの雨が降っており、町歩きのイベントは中止になった。Rについて職場に行ってすこし仕事をして、その後、大きな大きな大公園の近くのそば屋まで。1軒目は混んでおり入れず、2軒目にやっと入れる。温かさが身に染みる。この公園に来たのは夏ぶりだった…

スパイスガイド

お昼にそばを食べたあと (おいしくてお店の雰囲気も良いのだけれど、人気のところなので待たねばならないのが難)、通り道にあった石獅子を観察し、そのあと古いモーテルを改装したホテルにでかけた。敷地が開放されてガレージセールが開催されており、このあ…

中城

土日、早起きして待望のベーカリーに行き、朝ごはんを堪能したのち、近くの外国人住宅街を散策した。その後少し移動して、井戸や用水の多いのどかな集落も歩く。開店にあわせてショッピングセンターへ。人が多いのはブラックフライデーのセールのため。しか…

名前の組み合わせ

ふとした興味深い機会に連絡先を求められて、つい新姓のほうで名前を書いてしまった。そこを後にしてしばらくして、それでは私のアイデンティティの何にもアクセスできないことに気づいた。論文も文章もウェブサイトも、旧姓と下の名前で検索すれば一番に出…

シロガシラの鏡

フェンスが高く伸びているところにとまって、シロガシラが数センチの距離からカーブミラーを見ている。たいていは近くに寄ると飛んで逃げていくのに、小川を挟んで数メートルの距離に私がいるのに逃げる気配がない。じっと見ていると、鏡をしきりとのぞきこ…

幸田文

RとLが出張で留守にしており、土日はお仕事をせず、本を読んだりネットサーフィンしたりして過ごした。その過程で、幸田文のなにかの小説が目に留まった。ちょっと興味を惹かれたものの、そのままにしていた。 日曜の午後、近所のブックカフェに行くと、幸田…

そばと公園とビール

土曜、家のことを済ませて昼過ぎに出かけ、そばを食べに行った。人気のお店でいくつかのメニューは品切れになっており、私たちのすぐあとに麺は完売となり、味もなかなか良かったため、また今度来なくては、ということになった。 食後に近くの公園を抜けて海…

林道と海岸

林道を通り抜けた。わかりづらい入口を、マップを見ながら探し当て、35キロの山道を延々と。2時間かかって出口にたどり着く頃には、そろそろ夕闇が広がりかけていた。心細くなるような、自然に呑み込まれそうな道だった。 その後、西側の海岸を目的地目指し…

ヤンバルクイナのぶらんこ

やんばるの宿で、明け方、ゆめうつつにヤンバルクイナを見た。子鳥がちょうどヤンバルクイナサイズのぶらんこに乗って、親鳥が押している。 あとで気づいたけれど、もちろんこれは夢だった。 ヤンバルクイナのぶらんこ

灯台の話

11月1日は灯台の日だということらしい。最近 (といってもここ数年だけれど)、灯台が登場する小説をよく読んでいる。そしていずれもおもしろい。せっかくなので紹介してみることにしようかな。ヴァージニア・ウルフ『灯台へ』 静かな静かな物語。人の心理や会…

仕事と昼寝

午前中はプログラムの修正をして、当初の想定以上の時間がかかってしまったものの、思うとおりの出力を得た。午後にはそれで気が抜けてしまったのか、早朝目が覚めたのがひびいたか、あまり集中力が続かない。メールなどを書いたりしてずるずると過ごし、肝…

火災

目がさえてよく眠れず、なんだか胸騒ぎがして朝早く起きてしまった。twitterを見ると、首里城が燃えているというニュースが目にとびこんできて、泣きたいような悲しい気持ちになってしまった。オレンジ色の日が昇って、屋上のほうに出てみたけれど、煙や炎は…

リゾート

Rの友人の結婚式について行き、リゾートホテルに泊まった。 夕方にはバルコニーから夕日が見えて、夜にプールは青く光り、ロビーにはさまざまな人が行き交い、秋の涼しい風のなかで、ホテルは静かにざわめいていた。翌日、朝ごはんは豪華でおいしく、部屋で…

秋の夜

夜の道を歩くと、いろいろな家から明かりが漏れていて楽しい。モダンな家はどこか開放的で、オレンジの光が涼し気な雰囲気である。幅の狭い路地に古い家があちらこちらと建っているところは、人も建物も息をひそめているかのよう。 道の向こう、街路樹が街頭…

古道の祝日

夜中に雨が降り出したようで、早朝はざあざあ降りの音が響いていた。こういうときに限って、前夜洗濯をして外に干している。早朝から泣き始めたLをあやしていたら眠れなくなってしまい、結局5時から起きて書類を書いていた。午前中はそのままファミサポを利…

呼子

1時間電車に乗って、終点のひとつ前の駅まで行き、そこからさらにバスに40分乗って港町にたどり着いた。朝市の最後の10分だけ、雰囲気を感じることができた。イカバーガーを食べて腹ごしらえし、みかんを袋で買って非常食とし、静かな道へ踏み出していった。…

秋のはじまり

朝、外に出たら涼しい風が吹いていたのでびっくりした。もう完全に秋の気配だった。思わず、朝ごはんを食べていたRに「外が大変なことになってるよ!」などと言ってしまった。空は雲ひとつなく晴れて、周囲の木々は真夏のときのような勢いを失っている(それ…

真夜中のセミ

八丈島の夜、意外と楽しかったかも、とRが言った。セミが入ってきたよね、と。 そういえば、たしかにセミが入ってきた。もう日付が変わって、アルコールもまわって、そろそろ寝ようかというとき。外からツクツクボウシが入ってきて、電灯にとまっていた。し…

夜の防波堤

ハンバーガーを食べた後に店を出たのが19時過ぎだったこともあって、そのまま近くの海を散歩した。向こうのほうでは夜空が明るくなっていて、見晴らしの良いところに出ると、それは雷であることがわかった。音も聞こえてこないくらい遠くの海の向こうの積乱…

おむつの子供が温泉から排除される話

八丈島で調査をしていた。ある日の調査が終わったあと、観光地としても有名な「みはらしの湯」にやってきた。10ヶ月になる子供をつれて行ったのだけれど、施設に入るなり、受付にいた年配の女性に「おむつの外れていない子供はお風呂に入れません」と言われ…

過去の思い出

島での調査を終えて、夕方に羽田空港に着き、かつて博士課程の3年間を送っていた大学に向かった。ちょっとした用事を済ませて外に出ると、だいぶ暗くなっており、夕方と夜の境目をだいぶ夜に移動したところにあった。9月の終わりの、秋を感じる夜風が気持ち…