よるのおわり

日々を愛でる

夜の海

夜ごはんを食べに行ったあと、海に寄ってみた。夏の台風のときに吹き寄せられた砂がまだ駐車場に溜まっていて、白熱灯のオレンジ色の光に照らされて雪みたいに見えた。やっと冬と言えそうな冷たい風が吹き始めた日で、頬にその風を感じていると、一瞬たしかに、雪山にいるような気分になった。
浜辺には誰もおらず、満潮からすこし引いたらしい波がすぐそこにあった。砂浜は波打ち際で崖のように削れており、ざざーと波が静かに何度も何度もやってきた。沖合のほうには船だか陸だかよくわからない灯がともっていた。高2のときの修学旅行でも、宿舎を抜け出してこの島の夜の海を見たな…と思い出した。

肌寒い風にふかれて、いつまでも眺めていたい海だった。

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