2012-01-01から1年間の記事一覧
言葉はもういいからあとはするだけ、と思っていて。 しかし、これもまた言葉なのでした。 これくらいは言葉でもいいではないかと思いつつ。 しかし、やはり言葉でしかないのでありました。
「人間らしい生活をとりもどす」と書いて,ふと手が止まる. なにから,とりもどすんだろう? とりもどす,という時点で,すでに何かがおかしい. とられる前は,あったということだろうか. よろしい,それを手に入れる必要はとにかくあるとして. なにも「…
うまく休日をとるのは,本当に難しい. 休みにならない休日をとると,焦りのみが増加する. まず,何が休みになるのか,しっかり把握する必要がある. そして,適切なタイミングで,日々のあいだにはさみこむ. 私はまだ,どちらもできていない. 会社員の頃…
2012年に読んだうち「特に良かった本」を6冊挙げてみる. (「良かった本」は50冊くらいあった) 中島らも『永遠も半ばを過ぎて』 彼の作品を読むのはこれがはじめてだったのだけれど,そしてこれまで食わず嫌いをしていたのだけれど,のめりこんだ.人物の描…
20代後半に自分がどうなっているか,想像がつかなかった. なってみて,どのようなものか,自分でもよくわからない. 10年後を考えてみて,こちらもどんなものかわからない. きっとそのときも,わからないだろうと思う.
人のことを理解することができると考えていた。昔。 それで、そんな自分のことを理解できていなかった。 今度は、理解できないってところから、はじめようと思う。 そしたら、もしかしたら理解できるかもしれない。 もしかしたら。
手先・足先が冷たいと,人生の幸福度が低下する. これはもう絶対である. だから,私はスキーに行っても幸せになれない. しかし,唯一の例外は自転車かもしれない. 30分以内なら,幸福度の低下をごまかせる. そんなわけで,私は,冬でもなんとか通学でき…
ここ最近試みていることが何なのか,すこしわかった. それは,「ふりをするのをやめる」ということ. 「ふり」が,私を速く遠くへ連れていこうとしたとき. でも結局,それでは速く遠くへ行くことができないので. 控えめに丁重に,お断りを申し上げる. 君…
最近,とても,木登りをしたいと思う. 小さい頃は,背も低く力も弱く,木登りが苦手だった. そうしてことあるごとにのんだ涙が,いま,悔しさとなって. 次に,木にはひとつとして同じものがない. 対峙するのは毎回新たな木なので,木登りは退屈を許さな…
太ってきた月を仰ぎながら,昨夜は散歩をしたのだった. 根津から池之端を経て,東大病院の裏から博物館まで. 風もなく,星の光る,おだやかな週末の夜だった. 一夜明けて,祝日の太陽が照らすまぶしいキャンパスを眺めている. 昨夜と今日,見ているこの…
とても久々に,遅刻している夢を見た. 物理的にどんどん足が重くなっていって,焦燥感がつのるやつ. 昔は,学校に遅刻している場面だった. もういいやと諦めたところで,夢であることに気づく. 今は,研究発表に遅刻していた. そして,きちんと会場まで…
願わくば,雨は,夜中にやんでほしい. 昼間に雨があがると,落ち着かなくなってしまうから. 濡れた地面や樹や建物が,ぼんやりした太陽を浴びるのを見ていると. 何をするでもないのに,外に出て,そこらを歩きまわりたくなる. 昼間の雨あがりは,ちょっ…
最近の夢には現実が混入してきている. 変に現実とのつながりを保っているので,混乱する. 混入するなら,もっと荒唐無稽にやってもらいたいものである. 現実の尻尾もつかめないくらいに.
泉鏡花の『婦系図』と『湯島の境内』を読んで,思った. 彼は,後者を描きたかったがために,前者を書いたのではないか. お蔦の,可愛さというかいじらしさというか,それを表したいがために. たったひとことを表すために,数百ページに及ぶ文章を重ねたの…
人にはそれぞれ特徴的な匂いがある. エレベーターなどの残り香から,さっきまでそこにいた人がわかることも. そうした匂いが何に由来しているのか. 考えているのだけれど,特定できない. きっとそれは,生活の匂い,とでも言うべきものなのだ.
先日大阪に行ったついでに,富田林の寺内町まで足を伸ばしたのだった. 人が少なくて,雨上がりに落ち着いた風情があって. 道とは本来,得体の知れないものが行き交う外界とのつながりだった. そういうことを感じさせる,今なお,いきている町だった.
体調が悪いときはひたすら睡眠を投入する. 前にも書いたけれど,それが私にとっていちばんの養生みたい. 精神と体に空いた穴に,無理してでも,眠りを投げ込んでいくような. 「投眠」とでも呼ぼうかと思う.
上肢を体の下に敷いて眠っていた. 気がつくと,しびれて,感覚がなくなっている. その腕を,反対の手でつかんで額のうえに置く. 暖かくてぐにゃっとしていて,自分の体の一部には思えない. 眠気も相まって,不思議な感覚が得られる.
布団に横になって、うつらうつらしているとき。 ぼっそりした人の声や雨の音が、するすると入り込んでくる。 私と外界をつなぐのはこれらの音だけで そのうち、このかすかなつながりも途切れるだろう。
気づかないようにしておく,ということをしてみる. それは,敗れることがわかっている勝負みたいなものである. 選べるのは,いつ敗れることにするか,ということくらい.
私たちの身の回りにあるものは案外脆くて. 観察されることで損なわれてしまうものばかり.
夢に人がでてきたとき. その人が私のことを想っているから夢にでてきてくれたのだ. という解釈を小さい頃に聞いたことがある. でも,これって別な見方もできて. その人が私のことを想っていると私が思っているから. という解釈も成り立つのでありました…
含む,ということが,ここしばらく頭の中を占めている. 以下の一節を読んでから. 妊娠がくるとこういう感じになるからね・だけどあんたはここで働く人間なので・あんたはここに含まれているのですからね・すでに何かに含まれてるもんが・何か含んだりする…
たまたま,昔書いた文章を読みなおした. これは果たして自分の書いた文章なんだろうかと訝ってしまった. そういう変化が認識できる点で,ブログというものは非常におもしろい. そうして,昔書いたエントリを読んだことが新たなエントリになる. 文章の,…
人と違うことがなされて,その体験が話されたとする. それを聞いた人にも,いろいろな反応があると思う. それで,私は,そこでむやみに賞賛することはすまいと思う. 悪意はもちろんなくて,純粋に相手を持ち上げたいだけだとしても. もし,そのことが,…
前日は,ネギを背負って帰ったのだった. 翌日は,森鴎外の『雁』に触発されて,不忍池を一周した. 鴨がたくさんいて,のどかで,寒かった. 夜は,温かい食べ物について考えていた. こうして,鴨南蛮が,私の頭を占拠するに至った.
拝啓、と書いて、そこで止めにしておく。 誰に言葉をおくりたいのか、わからなくなってきたので。
ピーマンの重さをきちんと測ったことがあるだろうか. 彼らは,実にとらえどころのない重さをしている. まず,複数を集めると意外と重い. 中空なくせに重いのかと思ったら,しかし,それほどでもない. 軽くも重くもないもの,それがピーマンなのだった.
不幸せなふりをしたり,殺伐を演じたり. そういうことをしていると,本当にそうなってしまう. そんな状況に甘えて,さらに「ふり」をしつづけようとする. そうすると,だんだん,それが普通になっていってしまう. 耽溺も別に悪くはなくて,惨めに見える…
日常,発する言葉は多い方ではないと思う. だから,一語一語の重要性が高くなってくる. しかし,言葉は揺れる. 自分の認識している本来の自分とは異なる言葉がとびだす. 言葉数が少ないほど,それらから受ける相対的な影響は大きい. でもきっと,そんな…