よるのおわり

日々を愛でる

インフルエンザ再び

ワクチンの副作用と思っていた体のだるさがようやく去りかけ、久々に職場に行って駆けずり回った夜、眠ろうとするとなかなか寝付けず、末端が異様に冷たい。雨が降って冷え込んだせいかなと思い、靴下を履いてありったけの布団をかぶって眠る。夜中、なにかがうまく決まらずに何度も何度も何かを繰り返す夢を見る。なんだか見慣れた悪夢だぞと思っていたら(延々と繰り返す系の悪夢は風邪をひいた時のお約束なのだけれど、このときのもはや忘れてしまった繰り返しは、実は初めて見るものだった)、朝になってみると頭が割れるように痛くて、起き上がることができなくなってしまった。無理をして少しだけトイレに立ったら冷や汗がだらだらと出てきて吐き気までして、これは本当にまずいとわかる。この時点で、これは今週いっぱい治りそうもないとなんとなく直感し、3日後の出張の予定をスマートフォンでぽちぽちとキャンセル。また、最低限の関係各所へ簡潔な連絡。

Lが起きてきて、「ごめんね無理なの…」と伝え、つらさの隙をぬって朝食や保育園の準備。息を整えてひとつ家事の作業をして、すぐにまた布団に倒れ込んで、荒い息をしながら3倍の時間かけてつらさの波を落ち着かせる、といったような感じ。自分の熱は上がっていくが、Lは平熱。近所の知人が保育園の送り届けをしてくださるということになる。ありがたやありがたや…

Lがインフルエンザにかかったとき、こちらにも感染することを予期して、日持ちのするジュースなどを購入しておいたのが幸いした。食欲はぜんぜんないけれど、脱水症状が怖いので水とジュースだけでも。とにかくうつらうつらしながら午前中が経過。寝巻きが汗でびっしょりに。熱はまた上がり、つらさはさらに増し、これはただごとではないぞと思い始めたため、病院へ電話。高熱だけれど来てもよろしいということになり、自分では100メートルと歩けなさそうだったのでタクシーを呼んで向かう。別室に案内され、前後の複雑な状況をいろいろ説明し、結局は抗原検査でインフルエンザとわかる。座っているだけでも苦しくて、目を閉じてぐったりしながら会計と薬の到着を待った。

帰ってから布団に倒れ込み、吸引式のインフルエンザ薬を服用。肺の毛細血管から薬剤が染み渡るようなイメージがあり、すぐに多少楽になったような気持ちに。その後すぐにまた眠り、保育園からの電話で起こされて夕方になっていたことを知った。この日はずっと寝ていても苦しいほどつらく、インフルエンザの威力を思い知った。

とはいえ薬もだいぶ効き始めたようで、多少は起きていられるようになり、食欲もすこし出てきた。子供には子供用の、自分には大人用のスパイスの効いたレトルトカレーを用意し、ゆっくり噛んで食べて、早く寝た。夜はだいぶ楽に寝られて、薬の威力を知った。翌日には完全に平熱になり、だいぶ頭がふらつくだけで、風邪のときのようなだらだら長引く具合の悪さもなかった。この日も寝ていようかと思ったけれど、布団に入っても眠ることはできず、結局座り仕事をゆっくりゆっくり進めていた。

インフルエンザに対する抵抗性はやたらと強いようで、義務教育のとき以来かかった記憶がない(それも、学級閉鎖で自分は元気な記憶ばかり)。それゆえに油断した。今回、ピークのつらさはインフルエンザが圧倒的だけれど、薬ですぐに解熱して翌日からは楽になるのなら、これは普通の風邪よりも良いのではないか…などと思ったりもした。とはいえ体力の消費され具合はだいぶ大きいし、薬がなければそうとう辛いはず。これまでにも現在にも多くの人の命を奪っている病であることを再認識したのだった。