12/23の夕方に3回目のワクチンの接種案内が来て、当日のタイムスロットから予約が可能になっていたので翌日の朝をとった。午後から雪が降り出していて、外が真っ白になるくらいは積もっている。急いで保育園にお迎えに行くと、もう最後のひとりだった。クリスマス休暇でお休みになるので、年内最後の保育園である。
翌日。お休みの始まりという感じがある。外は雪が積もり、まだちらちらと降っている。前日に買っておいたパンを温め、コーヒーを淹れてサラダを作る。8時半くらいにLと一緒に出発。雪がザクザクするのがおもしろいらしく、道端を楽しそうに歩く。電車は空いており、目的の駅にはすぐに到着。駅から降りて、東の方へまっすぐに。少し行くと雪がけっこう降ってきて、あわててLをベビーカーに乗せて先を急ぐ。一軒家が立ち並ぶ住宅街で、どこもクリスマスの飾り付けをしていてかわいい。居心地が良さそう。雪はどんどん降ってきて、コートやベビーカーに積もる。うおーと思ってきたところで会場に到着した。
オペレーションがスムーズで、あっというまにブースに通され、本人確認をして注射を受けた。サンタ帽をかぶっている職員さんもいる。イブの日にも本当におつかれさまです。待合室に移動して15分間待ち、終わったらそのまま帰る。ヒーターの近くだったので帽子や手袋を乗せて乾かした。体調が悪くなった人のための？ジュースのパックなどが用意されているのも見えた。日本では大学の職域接種で受けたけれど、事前の健康確認とか接種後の待ちなどがしっかり徹底されていた。それに比べると、そこまでクリティカルではないところにはリソースを割かないようになっていて効率性が重視されているように思った。イエローカードがあるので本人確認も非常にスムーズ。
雪はだいぶやんでおり、同じ道を通って駅へ。車のトランクから物を出している人がいて、クリスマスプレゼントのようなものがちらりと見えた。子供に見つからないようにトランクに隠しているのかしら。雪の積もった住宅街はあいかわらずきれい。
あいかわらず空いている電車に乗って、もうちょっと先まで。クリスマスの週末はお店が軒並みお休みになり、faktaというスーパーしか開いていない。アンチョビを買いたかったのだ。駅から出てすぐのところにfaktaはあり、店の前のベンチにはホームレスの人が座ってお金を乞うていた。Lが寒がっていたのと寝そうだったのとで、行きも帰りもささっと通り過ぎてしまったけれど、地面の底から冷え込んでくるようなクリスマスイブの日に、あの人は暖かい夜を越せただろうかとその後もずっと考えてしまった。なんとなく不用心で危ないところがあるような気がして、ネットでビッグイッシューを買ったことがある以外は、お金を恵むようなことをしたことがない。けれど、その壁は私が思っているよりも低いのかもしれなくて、越えてみたらそんなに怖いものでもないのかもしれない。
さて、スーパーのなかでLは眠り、アンチョビはみつからず、しかしおいしそうなパンとかそういうものを買ってしまう。雪がまた降りだしており、慌てて駅へ向かって帰りの電車に乗る。
電車から降りると晴れているかわりに冷たい風がビュービュー吹いており、まっすぐ歩くのも難儀するくらい。風に当たってLも起きてしまう。ひいひい言いながら家に着き、ほっと息をつく。昨夜の残りと買ってきたパンでお昼を食べて、外で仕事をしているRを待つ。Rはじきに帰ってきて、太陽が出ている今のうちに荒野に散歩に行こうかということになる。雪で真っ白になっている荒野を歩くのを楽しみにしていたのである。
そしていざ荒野に出てみると、あまりに寒い。気温は0度くらいだけれど、遮るもののないところで風が吹きつけて、露出している皮膚が痛い。体感温度は-10度くらいになるそうだとRが調べていた。景色はきれいでもっと遠くまで行きたくなるけれど、寒さは切実でそれを許さない。ベビーカーに乗ったLは硬く縮こまっており、「大丈夫？」と訊いても小さく頷くばかり。Lはなぜか服を着るのをいつも嫌がり、こうなることがわかっているのにいつも薄着である。帰ってくる途中ついにLはあまりの寒さに泣き出してしまい、抱っこして連れ帰った。
家に帰って体を暖めて、夕飯の準備を始める。鳥を焼き、サラダを作り、じゃがいもをカラメルに絡めてみる。ろうそくに火をつけてごはんを食べ、食後にソファーの上でみんなで遊び、いつもよりちょっと遅い時刻に布団に入った。その夜はワクチンの副反応で体が熱くてだるく、風邪のような感じになった。1回目はなんともなく、2回目は翌日1日中横になるくらいで(ただし風邪をひいていたのでその影響かもしれなかった)、3回目はその中間くらいになった。ただし腕の痛みはそこまででもなく、ふつうに肩を回したりできた。
翌日は本調子ではなく、布団でごろごろしたりしながら怠惰に過ごした。
